表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お料理探偵、エミリカ!!  作者: コーノ・コーイチ
第二章 2皿目~いただきますの前に大切なこと~
53/55

ごゆうはんはいかがですか?


 キッチンに立つエミリカ、彼女は制服にエプロン姿であった。他の面々は後ろから様子を見ている。


「さて、少し冷蔵庫を覗いたけれど、病人がいることを踏まえて、ここは簡単に『おじや』でいこうと思うの。消化や栄養を考慮してね」


 炊飯器を見れば既にごはんは炊けていた。


「本来はお鍋でお米を炊くところからが良いんだけど、時間短縮で炊けたお米を使用するわね。

 まず、病人には柔らかめに『七分粥』でいこうと思うの。

 炊けたお米を1として、水は3の割合ね。この時、お水に鶏がらスープの素を混ぜるの。

 量は・・・そうね、お米のお茶碗一杯分に対し小さじ1杯半くらいかしらね。

 あと、塩を少々、あれば生姜も入れるといいわね。すりおろすのが面倒ならチューブで十分よ」


 それらを鍋に入れて、沸騰させる。


「十分に沸騰すれば中火にして、ごはんをほぐすの。

 それから沸騰した鍋に溶き卵を回し入れる。

 卵がふわふわになったら火を止めるの。

 それでお茶碗に移して、食べる前に刻みのりと、刻みネギを乗せたら完成よ!」


 手慣れた手つきであっという間に完成させ、それを見ていた宇野とユキユキと雪は「おぉ~」と、感嘆の声をあげる。


「ま、こんなもんかしらね。でもこれは月用に作ったものだから、置いとくとして、風先輩やせっちゃん用にはもうちょっと味の濃くて凝った『とり雑炊』を作るわね」


 用意するものは、鶏肉(モモ肉とムネ肉のコマ切れがいいかも)しめじ、卵、

 塩、鶏がらスープの素、出汁醤油(なければ和風出汁の素と醤油)

 生姜チューブ

 あとはお好みの野菜(ここでは白菜と大根、長ネギを使用)


「手順は、最初にお野菜を薄くめの短冊切りか、いちょう切りにするの。

 鶏肉も一口程度にカットね。それができたら野菜をお鍋に入れて、少量のお水で軽く蒸すのよ。

 サラダ油で炒めれば香りが良くていいんだけど、素材を活かすなら蒸す方が良いの。

 それは何故かしら?ユキユキ」


「え、えと、その方が柔らかくなるから、とかですかぁ?あ、あと、甘くなるんでしたっけ?」

「うん、やや正解ね。けど、それだと足りないわ、知識半分というところよ」

「あぅ~、勉強不足でしたぁ・・・」


「じゃあ、代わりに宇野一弘、何かしら?」

「・・・・・・確か、葉物野菜とかは蒸した方が栄養価は逃げない・・・だったか?高温で長時間加熱すると、ビタミンが崩れるとか聞いたことがある」


「そう、正解ね。おじやとか雑炊って消化の良い療養食でもあるの。それなら栄養価も考慮するべきよね」

「なるほど、病人の栄養を考えてのことか。風邪にネギは効くと言うし、白菜や大根にはビタミンが多く含まれているからだな」


「ええ、そうよ。食欲があまりないなら『おじや』を、お腹が空いてきたなら味の濃い『とり雑炊』を食べてもらってね、せっちゃん」

「はいよ、私が全部食べても、また作れるようにメモしておく!」


「ふふっ、そうね。一応、多めに作っておくけどね。

 で、野菜を軽く蒸せたら、しめじと鶏肉を入れて再度蒸すの。

 二度蒸すのが面倒なら、一緒に入れてもいいわ。

 ただ、野菜を鍋の底に敷いてからの、きのこ、そしてお肉の順よ。

 なんでか分かるわよね?ユキユキ」

「はい!火の通りやすさの順番ですぅ」


「そ、根菜、果野菜、葉物野菜、きのこ類、お肉の順ね。

 お肉も蒸すと柔らかくてジューシーにできるわ。タンパク質や鉄分も風邪を治すのに必要なの」

「免疫力ぅ・・・ですかぁ?」


「正解よ。30ポイント追加ね」

「やったですぅ!」


「え、なんのポイントなんだ?」


「で次ね、軽く蒸したら、お水と調味料のお塩、鶏がらスープの素、出汁醤油を足して、生姜チューブで味を調整してね。

 この時、注意するのは、水や調味料がお野菜やお肉に浸かりきらない程度かしらね。

 でね、軽く沸騰したら、ごはんを混ぜほぐすの。

 そしてお鍋が煮立ったら溶き卵を入れて、ふわっと溶き卵が浮き上がれば完成よ!」


「わあ、いい匂い。けど、調味料を足してからの煮込む時間が短いね?そんなんでいいの?」

「ええ、さっき宇野一弘が言ったでしょう?長時間高温で熱すると栄養素が逃げるの。

 特にビタミンやミネラルは水に溶けやすくってね。

 だから水分は少なめで、すぐに沸騰させられる量がベストなのよ」


「へえ、色々と考えられているのね。ただの食事なのに」

「しっかり味をお米に染みこませたいなら、炊けたお米を一度洗ってから鍋に入れるのも良いわよ!洗った方がお米のとろみが抜けて味が染みやすく、サラサラと食べやすくなるの」


「はぁ~、勉強になるわ~。私が風邪ひいたら、月か風姉に作ってもらお!」

「ふふっ、そうね。ところで、医食同源という言葉を知っているかしら?」


「へ?いしょく?・・・へ?知ってる?」

「ゆ、ユキユキに話を振られても・・・ええとぉ、たしか、栄養は大事って話ですよねぇ?」


「3ポイント!」

「とほほですぅ~」


「一度ちゃんと話したはずよ?じゃあ、宇野一弘、答えてみなさい」

「あ?まあ、なんだ。食事の栄養は、医療や薬と同様に病気を治す、または予防という、本来の根源を同じくするもの、だという意味だな」


「250ポイント!」

「そんなにッ!?お姉さま、ヒイキですぅ~」


「ヒイキじゃないわよ、完璧だもの。ちゃんと理解しないと、食事の本質を理解できないわ。いい?料理と言うのはお薬と同じか、それ以上に重要なの。ただ美味しく作るだけじゃなく、食べてもらう人の健康にとって、良い食材や調理法を選ぶことが大事。それこそが、料理の神髄なのよ、分かった?」

「はいぃ~。お姉さまの言う通りですぅ~。食事は体を作るために、ですねぇ」


「医食同源か、なるほどな。健康のための料理とは、随分と奥が深いものだ」

「そうなのよ。二人とも、ちゃんと言葉の意味を咀嚼したかしらね。それじゃあ、あと軽く出汁巻き卵でも作ろうかしら。どう?せっちゃん」


「ほんと?さすがエミリカ!嬉しいな。お願いするね!けど、月ったら遅いなぁ。せっかくのご飯が冷めちゃうじゃない。ちょっと、味見していい?」

「とろ火で置いてるからどうぞ、と言いたいけれども、手は洗ったのかしら?ごはん前は手を洗う。鉄則よ!医食同源でも、手に汚れがついていたら、お薬にバイキンを付けて飲むようなものなんだから」


「は~い。手洗いついでにちょっと、風姉や月の様子を見てくるね」


 言って、廊下に出る雪。彼女の階段を上る音が壁伝いにトン、トン、トン、とリズミカルに響く。

 しかし、数秒してすぐに階段をドタドタドタと駆け下りてくる。

 そして、キッチンのドアが強く開かれ、何事かと、エミリカ、宇野、ユキユキの三人はドアの向こうに立つ雪を見る。



 雪は、血相を変えて立っていた。

 


※エミリカよ!!

 今回はお鍋で野菜をつくったけれども、これは時短でのやり方ね。

 水分量が少ないとお鍋がこげることもあるし、本来は蒸し器や蒸籠を

 使った方がいいんだけれども、正直めんどうなのよね。


 そこで紹介したいのが、この『タジン鍋』よ。

 このお鍋なら水分少なく蒸せるし、旨みも栄養も逃さないの!

 蒸料理だけでなく、煮物やそれこそ雑炊にもうってつけね!!

 油も必要ないし、カロリーも控えめで健康的よ!!


 あとは『無水鍋』も紹介したいわね!!

 最近は無水料理なんてよく耳にすると思うけど、

 これも旨みをギュッと詰め込んだ料理ができるの!

 

 無水だから味も薄くなりにくいし、素材そのままを

 活かした料理ができるわ!!まさに、凝縮ね!!

 

 何より、ビタミンやミネラルは水に溶けやすいから、

 無水鍋はそれらを溶かさず、栄養素を多くいただけるのよ!!


 どう?宇野一弘!!今ならこのお鍋、お買い得よ!!


『あんたはどこの回し者だ・・・』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ