表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お料理探偵、エミリカ!!  作者: コーノ・コーイチ
第一章 4皿目~それは思い出の唐揚げ~
22/55

~承前啓後~



 そして時間は戻り、現在の文化祭。料理部部長となったエミリカはウキウキと宇野の手を引っ張っていた。



 あの時は震えていた手だが、今は料理部の実績と自信がそうはさせない。

 そして、今度は逃がさないようにナスビもしっかりと彼の手を握り絞っていた。限界まで!



 宇野は腕の痛みに耐えつつ、額と背中にイヤな汗を浮かべながら歩を進めている。



 両手を美少女二人に取られている彼だが、表情は牢獄に連れられる罪人のような暗い顔であった。


 宇野はエミリカが去年の文化祭で出会った女子であると、薄々ではあるが気付き、思い出し始めていた。


 去年と比べ、エミリカはずいぶんと自信に溢れる姿になった。女の子として一年でずいぶんと成長したのもある。おかげで、記憶は虚ろであったが、文化祭で彼女と言葉を交わし、行動を供にする内に、段々と思い出してきていた。



 そして、ようやく今、彼の脳内には去年の出来事が鮮明に思い出されていた。



 去年も依頼を果たすのに忙しい文化祭であった。

 だがその最後、後夜祭に一人の女子が訪れた。宇野はその子が感謝して、ねぎらいに自身の好物である唐揚げを用意してくれていたのだと思っていた。


 だが、エミリカからの唐揚げを一つ口に入れた途端、彼の口腔内に火が出るような衝撃が襲った。

 その唐揚げは・・・激辛を通り越した辛さ、もはや痛覚を刺激するしかない強烈なものであったのだ。

 すぐさまに宇野は給水器へと走り出したのである。


 去年のあれは一体なんだったのか?嫌がらせだろうか?


 ただ、他の唐揚げを恐る恐る口に入れるも、それらは普通に美味しかった。

 ただのお茶目か?まさか去年と同様、同じような唐揚げを食べさせる気ではないのだろうか?


 そういえば今年も料理部は『唐揚げ定食』なるものを出しているようであった。

 これだから宇野は料理部に足を運ぶのを頑なに拒否していたのだった。

 果たして、まともな料理が出てくるのだろうか?

 宇野の足取りはとても重たかった。



 エミリカ、宇野、ナスビの三人はそれぞれ嬉しさ、不安、期待、三者三様に思いを巡らせ、廊下を進んでいく。



 そして、そんな三人の姿を、後ろから見守る美女がいた。

 高校生となった麗華である。

 彼女は鹿児東高校の生徒で、ボランティアとしてここに来ていた。

 そんな彼女も、去年の文化祭のことを思い出していた・・・





 それは後夜祭の時である。麗華は調理室の調理台で何かを探していた・・・



「あれぇ?ないわねぇ?」

「何を探しているの?」


 さとりんに問われ、麗華は答える。


「メガンテ唐揚げ・・・」

「一応聞くわ・・・なにそれ?」


「ウチ用に作った激辛唐揚げよ~、別名『メガザルロック』・・・もう、どこにいったのかしら?」

「このパルプンテ料理人、なんてもの作ってるのよ・・・」


「・・・そういえば」と言葉を挟む風。


「・・・一つエミリカが持って行ったけど・・・焦っていたし・・・取り間違えたのかも・・・」



『あっ!』





 あの時、麗華はエミリカに嫌われるのがイヤで言い出せなかったが、今はこうして宇野と仲良く手を組んで歩いている。


「結果良ければ全て良しね!」


 そうして、妹の背中を遠目に麗華は文化祭で賑わう人々の中へ入っていったのであった。



完!


※またまたナスビや~!!

 ほんで、なんで宇野は『何でも屋』いう称号なん?グッドマン。


『ああ、彼は今の破天荒四天王の中ではなんでも知っている人間でね。

 知っての通り学年一位の学力がある。それは彼が知識欲の塊でも

 あるからなんだ。なんでも知りたがる。という部分に起因するんだ』


 ああ、何でも屋って頭が良いことで有名やもんな。


『そうなんだ。だがそれだけでなく、かれは推察力や推察力に秀でていてね。

 我々生徒会が頭を悩ませて気付かないことでも、ポンと解決策を出すんだ。

 それらは全て、彼の知識欲から来る行動力がここまでの能力として

 顕現したのだろうね。それは周知のところだと思う。

 なんでも知りたがり、なんでも知り、その知識からなんでも解決する。

 だからこそ何でも屋と言う名が皆に浸透したのだろうね』


 そうなんやね!確かに、自分も何でも屋の推理を見たけどあれはお見事

 やったで~!

 しっかし、何でも屋に詳しいなぁ、グッドマン。


『まぁ、彼との付き合いも長いのでね。彼が如何に優れているかは

 隣で見ていたよ。ただその分、彼には危うい部分があるから

 少し気にかけているのだけどね・・・』


 お!?なんやそれ?伏線か?


『ふく?いや、え?ふくせん?そ、それは・・・ははは』


 はい、そういうわけで次回からようやく今現在の文化祭や。

 回想は今回でお終いやで!引き続き楽しんでいってや~。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ