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君を忘れた僕と僕を忘れた君と  作者: あの日のアサガオ
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プロローグ

初めまして皆様。

あの日のアサガオです!長いのでアサガオとかあの朝さんとかお呼びいただけると大変嬉しく思います。


小さい頃、よく遊んだ子がいる。

"アキ"僕はそう呼んでいた…気がする。

アキと仲良くなったのはほんの偶然で、僕の父の転勤によりある田舎に引っ越した時に外を散歩していたら声をかけられたのがきっかけだ。

アキは初対面の僕に対してぐいぐい話しかけてきた。

今思えばきっとフレンドリーな子だなと微笑ましく思えたのだろうが当時僕はあまり人と話すのが得意ではなかったため、ただただ馴れ馴れしくて鬱陶しかった。

だっておかしいと思う。初対面の人間に対して第一声が"見ない顔だな勝負しろ"だったんだ、新手のカツアゲか何かかと思ったほどだ。

その後もどこから来たか、何が得意かなどたくさん質問されて僕もやることが無かったためその質問に付き合っていた。

しばらく2人で話していたと思う。気がつくと辺りは夕焼けにより赤く照らされうるさかった虫も心なしか静まってきたように思えた。

何か言ったわけじゃない無言で帰路についたと思う。

しかし僕が右へアキが左へ別れようとした時に、明日も今日と同じ場所で待っているとアキから言われそれに対し僕もわかったと返事をしていた。

今でも何故あの頃の自分がこんな約束に乗ったのか理解はできない。僕の性格ならばきっと返事はしなかっただろう。だがあの日帰り際僕がアキに抱いていたのは鬱陶しさや面倒臭さではなく純粋な興味だった。




昔の僕はとても中性的な顔立ちをしていた。

身体は小柄で、声も高かった。

そのためよく女の子に間違われたりもした。

どこに行っても性別を間違えられるというのは慣れていてもきつい所がある。

幼少期の僕は自分の顔にコンプレックスを感じていた。

だがアキだけは違った。

アキは僕に対してそもそも性別を尋ねてこなかった。

その事に僕は驚きそして初めて出会う存在に興味を持った。

アキは僕を女扱いしない。僕のことをわかってくれるかも…と。

厳密に言うと僕の勘違いなんだろう。

今だからわかる事だがアキという人間はそもそも人に興味を示さない子だった。

ただ単に僕に対し性別の興味がなかっただけなんだろう。

それを僕が都合よく解釈していたわけだ。

その後僕の父の転勤で別れるまでの約1年半僕とアキは毎日のように2人で遊んだ。

夏は2人で山に入って虫取りをした。

僕はカブトムシ、アキはクワガタを取るのが上手かった。

アキは僕と同じく小柄な方で木登りが得意だったためよく木に登っては僕に対して登ってこいと笑いかけてきた。

僕は当時高い場所があまり得意ではなかったから登ることは無かった。

秋にはいろんな絵を書いて回った。

お世辞にも上手いとは言えないような落書きに近い絵を2人してきゃっきゃ言いながら書き続けた。

冬には雪が沢山積もり、その雪で朝から晩まで遊んだ。

そして冬になると外は寒いという理由でアキを僕の家に呼んで遊ぶようになった。

うちの家は母がパート父が正社員だということで日中僕一人だけなのだ。だから気兼ねなくアキを呼ぶことが出来た

遊ぶと言っても最新のゲームがあった訳では無いのでいつも通り絵を書いたり昼寝したりひたすらのんびりしてたと思う。


そして父の転勤が決まり別の場所に移ることになりその事をアキに話した。

アキは笑いながら"せっかく仲良くなったのにもったいないな!でも他のところいっても元気でいろよ!"

そう言ってくれた。

そのあと少ししてからいきなりアキが泣き出した時には僕はもうとてつもなく驚いた。

アキはひとしきり泣いたあと"じゃあな"そう言って帰っていった。

僕は帰っていくアキに、1年半分の感謝と親友に対し別れの言葉を伝えた。

しばらく僕に背を向けたまま僕の話を聞いていたアキはくるりとこちらを向いて笑顔で"ありがとうこれからも親友だからな!"

そういって走って帰っていった。


最後の笑顔に不思議な気持ちを覚えながら僕はそのまま引っ越した。



今思えばあれが僕にとっての初恋だったんだろう。

少し変なところといえば、僕はアキをずっと男だと思っていたことくらいだ。

だから僕はこの気持ちがなんなのかその時気づくことは無かった。

1話。まあプロローグなんですが無事書けました!

僕は昔アキという子にあっていた。

これが伏線になるのか否か是非楽しみにしてください!(8割がたバレそうだなぁ)

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