07.勇者、寝ると超熟睡できるベッドを作る
未来からやってきたソフィことフィオナが、俺の実家【はなまる亭】で働くことになった。
フィオナと協力し、食べるとHPMPが全回復する料理を作った。
そのウワサを聞きつけて、ふたり組の冒険者がウチへ泊まりに来た。
彼らにフィオナが料理を振る舞っている間、俺はまたこっそりと、宿を抜け出していた。
もう1人の自分が宿にいるため、こうしてオリジナルの俺が抜け出しても、バレないという次第である。
「さてあの4人組冒険者が帰ってくる前に、ちゃっちゃと準備するか」
辺りは暗くなっている。
さっき食堂へやってきた4人組冒険者……パーティの名前を【若き暴牛】という。
若き暴牛の面々は、1度宿に帰ってきたが、HPMPと疲労が飯を食ったことで回復し、また狩りへと出かけた。
だがいくら体力とステータスが回復したからといって、人間はずっと働きっぱなしでいられない。
ずっと起きているわけにもいかない。体が元気でも頭が疲れて、眠くなるのは必定だ。
そうなるとあの四人組、若き暴牛のめんめんは、あと数時間したら眠くなって宿へと帰ってくるわけだ。
「その前に新しいサービスを用意しておかないと」
食事の件で気づいたが、新規客を呼び寄せるためには、既存の客を満足させる必要がある。
泊まりに来たことのある客が、こんなすげえ宿があるんだぜ! と人に自慢して、口コミが広がっていけば、いずれ宿は繁盛するだろう。
とにかくあの母さんにぞっこんの4人組、若き暴牛の皆様には、もっと我が宿に満足してもらう必要があるのだ。
あの四人は現状、若い未亡人が看板娘だからというただそれだけの理由で、【はなまる亭】を利用している。
それじゃあだめだ。宿に泊まればこんな良いことがあるんだと思い知らせないといけない。
看板娘だけじゃなくて、サービスを目当てにやってくるように、彼らにはもっとよりよいサービスを提供必要があった。
「食事の次は眠りだ」
俺は裏庭でつぶやく。次なるサービスの方針を決める。
「次はベッドだ」
屈伸運動をして、ぐっ、と伸びをする。
「山じい、あんたのチカラお借りするぞ」
俺はアイテムボックスを開く。
目当てのものを念じると、ボックスの中からアイテムがにゅっ……と出てくる。
それは高さが、子どもの大きさほどある絨毯だ。それが簀巻きになっている。
絨毯を俺は裏庭の地面に広げる。
絨毯は紺色をしており、青白い光のラインが、樹木の根のように、表面を走っている。
この絨毯は【創造の絨毯】
クラフト台とも言われている。
この絨毯の上に素材を乗せるだけで、作りたいものが何でも作れるのだ。
「ちょっと試してみるか」
俺は勇者の身体能力を生かして、ちょっと村隣のダンジョンへとダッシュで向かう。
ダンジョンには様々なモンスターが生息している。豚鬼といった、動物型だけじゃなく、変わった形のモンスターもいる。
その中の1匹、鉱石コウモリを、俺はダンジョン内部で見つける。
「ききっ! きききっ!!!」
背中に金属を生やした不思議なコウモリだ。やたらと素早く動くので、ちょっと捕まえるのに苦労しそうだ。
「よっと。はいげっと」
並の人間なら素早い魔物の動きに翻弄されただろう。だがあいにくと俺は魔王に匹敵するチカラを持った勇者だ。
身体能力はこの世界の誰よりも高い。俺の動体視力と脚力にかかれば、素早くて小さなモンスターを捕まえることなど、朝飯前である。
俺は聖剣でさっくり鉱石コウモリを倒す。あとには金属の鉱石がドロップする。
俺はその要領でさくさくと金属を集める。途中、何度か冒険者に見つかりそうになったので、高速で物陰に隠れた。
「っぶね……。見つかるところだった……」
俺は岩陰に隠れながら、アイテムボックスに鉱石を入れていく。
「10歳の子どもがダンジョンを出歩いていたら、そりゃ騒ぎになるし、捕まって親元まで突き出されるよな」
俺は10歳の子どもだ。だから何をするにしても、制限がかかる。ダンジョンも自由に歩けない。
「今は良いけど見つかったらやばいな……。なにか策を講じないと」
とりあえず今はそのことは置いといて、目先のことに集中しよう。
俺はダンジョンを離れて村へ戻り、裏庭へとやってくる。
絨毯の上に、俺はついさっき取ってきたばかりの鉱石を落とす。
するとーー
ーーずぶぶぶっ、ずぶっ。
と、絨毯の中に、鉱石が吸い込まれていくではないか。
まるで水面に石を落としたみたいに、鉱石は絨毯の中に、波紋を生んで、そこへと落ちていった。
「そんで……確か……こう、手を突っ込むんだったよな」
山じいだけじゃなく、ほかの勇者パーティメンバーから、アイテムの使い方は伝授されている。
俺は絨毯の前でしゃがみ込んで、表面に手をずぶ……っとツッコむ。
「うへ。なんだこれ。泥の中に手いれてるみたいだ」
ぬるぬるでどろどろとした液体のなかにいるような感覚に、顔を深める。
すると突如として、頭の中に【図】が広がる。
それは絨毯表面に描かれていた、樹木の根っこのような絵だった。
無数の根っこの先には、【鉄の剣】とか、【鉄の鎧】とか、【鉄の斧】そう言ったアイテムの名前が無数に書いてある。
樹木の根っこを形成する、そのてっぺんには、【鉄鉱石】と書かれていた。
どうやら鉄鉱石から作れるものを現した表らしい。
俺は図のなかのひとつ、【鉄の斧】が欲しいと念じる。
【創造しますか? YES/NO】
脳内にメッセージが聞こえてきた。俺はイエスと念じる。
「あとは……よっと」
俺は絨毯の中から手を引き抜く。
俺の手には……ひとふりの、鉄の斧がにぎられていた。
この【創造の絨毯】は、こうして素材を絨毯の中に放り込んで手を突っ込み、作りたいものを表から選べば、自動的に道具が生成されるのだ。
「作るの楽だな。よし」
俺は作ったばかりの鉄の斧を持って、村を出て森に入る。
勇者の身体能力を使えば、森の大木なんてバターのごとく切り倒せた。
「またあとで必要になるかもだし、多めに切っとくか」
すこん、すこん、すこん。
巨人の腕ほどぶっとい大木が、斧をひょいっと振るうだけで次々と倒れていく。
あまり調子に乗って取り過ぎて、これは誰がやったんだと言われないように、俺は場所を移動しながら木材を集める。
木材をある程度あつめてアイテムボックスにつっこみ、裏庭へと戻る。
絨毯に倒した原木を、そのままにゅるっとツッコむ。ずぶぶ……と底なし沼に木が沈んでいく。
原木を絨毯にいれたあと、しゃがみ込んで手を突っ込む。
脳裏にあの【表】が広がり、無数にある選択肢の中から、俺は【ベッド】を選択しようとする。
しかし……。
【材料が足りないため作れません】
とアナウンスが流れた。
「材料……他に何が必要なんだ?」
すると脳裏に、羊などの動物の毛が必要とアナウンス。
「羊毛か。羊毛アイテムをドロップするのは……たしかこの森の外の草原にいる、ワイルド・シープだな」
ワイルド・シープ。
文字通り羊型のモンスターだ。
このモンスターは俺がよく行く、村隣のダンジョン内部には出現しないモンスターだ。
森の外、ちょっと離れた場所に、ワイルド・シープたちは群体で棲息している。
「わざわざそこへ行くのも面倒だな……」
すでにそこそこ時間が経過している。ベッドを作る時間を加味すると、羊毛集めに時間なんて割けない。
「よし……アレを使うか」
俺はアイテムボックスを開いて、仲間たちからもらったチートアイテムを取り出す。
「えるる……おまえんちの家宝、ありがたく使わせてもらうぞ」
そこか出てきたのは、1本の長い弓だ。
何の樹木でできてるのかは不明だが、緑色に淡く光り輝いている。
弦は月明かりのように青白く光り輝いている。
飾り気のないこの美しい弓が、ユー者パーティの仲間、エルフのえるるからもらったチートアイテム、【聖弓ホークアイ】だ。
俺は聖弓の弦に手をかけて、空を見上げる。すると俺の目がぽう……っと、弓と同じ緑に光る。
俺の目には、まるで空中から地面をみおろしているみたいな風景がうつる。まさしく鳥の視点となって、俺はあたりを見下ろす。
やがて俺は、草原を走るワイルド・シープの群れを見つける。
「よし……いくぞ」
俺は弦をひく。矢はつがえない。矢は、必要ないのだ。
ぎりり……と弦が極限までひかれると、弓の中央に、弦と同じ青白い光が収束する。
青い光は弦を離すと同時に、光る魔法の矢となって、遙か空の彼方まで、すさまじいスピードで飛んでいく。
この聖弓は矢を無限に生成してくれるのだ。しかもこの矢は必中。どこにいても獲物を探し当てることができるし、獲物に矢を当てることができる。
そして特殊な能力がもう一つ備わっていて、それはすぐにわかる。
弓を持つ俺の目には、先ほどから遠方にいるワイルド・シープを捕らえている。
やがてシュコン……! と魔法の矢が高速で飛来し、ワイルド・シープの心臓を正確に貫く。
HPは瞬く間に0になり、その場に魔法の矢と、そしてドロップアイテムが散らばる。
そう、いくら遠距離射撃が可能であっても、倒したあとのアイテムは、その場に残る。アイテムを回収するためには、わざわざそこへと赴かないといけない……と思ったらそれは間違いだ。
聖弓ホークアイの真のチカラは、ここから発揮される。
ワイルド・シープが倒れたあと、その場に残った矢が、ぱぁ……っと光り輝く。
すると矢を中心に、魔法陣が展開。
魔法陣が消えると、あたりに散らばっていたドロップアイテムが、すべて消えていた。
「ふぅ……」
俺はつがえていた弓を下ろして、吐息を吐く。
すると俺の目の前に魔法陣が出現。そこから、ドロップアイテムが転がり落ちてきた。
「ほんと、すげえよ、この弓矢」
遠隔での必中攻撃。しかも倒したあと、ドロップアイテムを自動で転送してくれる機能付き。
「羊毛は……あったあった。肉までドロップされてる。ありがたい」
アイテムボックスに羊肉や羊毛を回収。
俺は聖弓を使ってワイルド・シープを何体か屠った。羊毛を大量にゲット。
「あとは絨毯に入れて……完成」
自分で回収した木材と羊毛とを組み合わせて、俺はふかふかのベッドを作り出す。
ウチにあるベッドは木をただたんに台状にしただけで、寝心地はハッキリ言って最悪だ。
固いので腰が痛くなる。寝苦しくて何度も寝返りを打ってしまうのだ。
その点、今作ったふかふかのベッドは、横になるとマットが体を押し返してくる。実に寝心地が良い。
「さて……もう一工夫するか」
ただ寝心地の良いベッドにするだけでは、不十分だ。
食事の時と一緒で、付加価値をつけないとならない。
この宿にはすげえベッドがあるんだ。この宿にしかないんだけどな。
そう客に思わせないとだめなのだ。
俺はアイテムボックスから、錬金術師、エドワードからもらった【万能水薬】を取り出す。
これは何でも思ったとおりの効能をしめす薬を作れるというもの。
「ええっと……あれとあれをまぜて、それから……」
俺は万能水薬と、森呪術師からもらった【眠りの花】から、とあるものを作る。
それをつくってベッドに振りかけて……。
「完成だ。あとは部屋にこのベッドを設置するだけっと」
☆
ベッドを作った、翌日。
俺は母さんとソフィ、そしてフィオナと、食堂で朝食を取っていた。
「ゆーくんゆーくんっ。はい、あーん♡」
食堂の丸テーブルにて。俺の隣に腰を下ろしているソフィが、スプーンを俺に向けてくる。
今日の朝食はシリアルだ。
世界樹の実からは穀物がとれるので、それとダンジョンでとってきた果物とミルクを使って作ったのである。
ソフィがにっこにこしながら、スプーンを俺に差し出してくる。
「ユート。貴様こっちを向け」
逆側に座るのは、フィオナだ。
彼女もうちの従業員となったので、こうしてみんなで一緒に飯を食っているのである。
「なにすんのっ? ゆーくんとのあまいじかんをじゃましないでっ!」
ソフィがフィオナをキッ……! と睨む。それが未来の自分であるとは、彼女はしらない。
「そんなものは知るか。ユートは私のシリアルを食べるのだ。口を開けろユート。でなければ切る」
「わ、わかったから朝から物騒なのはやめてくれ」
俺はフィオナに向かって口を向けるとぐいっ、とソフィに背筋を引っ張られる。
「ゆーくんはっ! ふぃーのたべるのー! ふぃーいがいのものをたべるのきんしー!」
ぐいぐい、とスプーンを俺の口にツッコんでくる。
「貴様離せ。ユートが嫌がっているだろう。無理矢理食べさせるとはどういう了見だ」
「おばちゃんだってさっき無理矢理たべさせようとしてたでしょ!」
するとフィオナの表情が、ぴし……! と固まる。
「お、おば……おばば……おばばばばば」
震える唇で、フィオナがつぶやく。
「フィオナ。気を静めるんだ」
「わかったユート」「そうか良かった」「首を一息にはねれば良いんだな」「ぜんぜんわかってねえ!」
「この女を殺せば私の気分は晴れて気が静まる。そういうことだろう?」
「ちげえって……ほんとやめて朝からスプラッタは……」
俺がフィオナを落ち着かせていると、ソフィがむむっ、と唇を尖らせる。
「このおんなってなにっ! ふぃーにはふぃーってなまえがあるもんっ! おばちゃんのばーか!」
ソフィに触発されて、フィオナが過去の自分を見下ろして言う。
「私にもフィオナという名前がある。きちんと名前で呼べソフィ」
「うんっ! わかったフィオナおばちゃん!」
「…………」「無言で剣を抜こうとするの禁止な」
俺は背後からフィオナを羽交い締めにする。母さんはそれを見て「みんな仲よしさんだね~」とポワポワと笑っていた。
この光景を見て仲良しって解釈するのすげえなこの人……。
と思っていた、そのときだった。
「ナナさーん!!!」
だだだだーっ!!! と2階から騒がしい足音が降りてくる。
食堂に入ってきたのはいつもの4バカ冒険者……もとい、【若き暴牛】の面々だった。
「ナナさんっ! こりゃ……こりゃあいったいどういうことなんだっ!」
若き暴牛のリーダーが、この宿のオーナーである母さんの前に、血相を変えてやってくる。
「みんなどうしたの~? なにかあった~?」
すると若き暴の3人が、
「すげえんだよ」「とにかくすげえやべええんだよ」「やばすぎてやべえんだよ」
と母さんに言う。何も伝わってねえ……。
「やばい~? なにがやばいの~?」
トンチンカンなメンバーの言葉に、母さんがハテと首をかしげる。
「おまえらちょっと黙ってろ。リーダーである俺がナナさんに説明するから」
するとトンペイたちが「ふざけんな!」「ひとりで抜け駆けするつもりだろ!」「俺だってナナさんと会話したいのに!」と口論。
最終的にリーダーがメンバーのトンチンカンたちを物理で黙らせた。
「ナナさん、昨日フィオナさんが用意してくれたベッドに、俺たちは寝たんだ」
俺は昨日作ったベッドを、フィオナが作ったこととして、母さんに報告した。
若き暴牛のメンバーが止まっているのは、2階の4人部屋。そこのベッド4つを、試験的に魔法のベッドに変えたわけだ。
「すぐに寝付けた。横になった瞬間、1秒足らずでだ」
「まあ~。それだけお疲れだったのね~。お疲れ様~」
「いやそうじゃないんだが……」
とかいいつつ、母さんにデレデレとした笑みを浮かべるリーダー。
メンバーたちは「死ね」「くたばれ」「ナナさんの前ででれでれすんな。金玉けるぞ」と呪詛を送る。
リーダーは気を取り直して続ける。
「びっくりするくらいに眠れたんだ」
どうやら効果は現れたみたいだ。
「すげえよナナさん、疲れが一気に消し飛んだぜ!」
「横になったと思ったら朝になってたし、肩こりとか腰痛とかが全部なくなってやがった!」
「寝不足気味だったのが一気に解消されたぜ。そんなに寝た感じじゃねえのに、10時間くらい熟睡したみたいになってやがった!」
フィオナがこっそりと俺に近づいて尋ねてくる。
「……あれはどういう仕組みなんだ?」
「ん。単純だよ。ベッドにこれを振りかけたんだ」
そう言って俺は、アイテムボックスのなから、ガラスビンを取り出す。
なかには紫の液体がはいっており、口の部分には噴霧するための機構がつくってある。
「これは……香水か?」
フィオナの言葉に、俺はうなずく。
そう、俺はベッドを作ったあとに、エドワードからもらった万能水薬を用いて、香水を作ったのだ。
「この香水には眠りの花……っていうドルイドが呪術に使う特殊な花の成分が含まれているんだ」
前にソフィを眠らせるときに使った、あの花である。においを嗅いだものを深い眠りへと誘い魔法の花だ。
あの種はまだアイテムボックス内にいくつか残っていたので、種から森呪術師の樹木を育てる呪いの歌を歌って花を作る。
あとは水薬とまぜて、眠くなる香水を作った次第だ。
「すげえよナナさん! あなたの宿のベッドは最高だ!」
リーダーが母さんを褒める。
「ホント最高だ!」「ナナさんほどじゃないがな!」「ほんとナナさんの最高かげんまじ最高だからな!」
メンバーたちが、口々に母さんを褒める。
「えへへ~♡ ありがと~♡ でもね、ベッドを作ったのは、うちのフィオナちゃんなの~」
母さんは笑顔を浮かべると、フィオナのそばまでやってくる。
フィオナの肩を押して若き暴牛のめんめんの前へと押しやる。
「フィオナちゃんすごいのよ~♡ 料理も天才、ベッド作りも天才なの~♡」
「や、やめてくれナナさん……」
と顔を真っ赤にしてフィオナがつぶやく。
ソフィは「ぷー。ふぃーのけものつまらない」
とおいてけぼりをくらって、つまらなそうにしていた。
俺はソフィの隣に座って、シリアルを食べさせる。
「ほら、あーん」
「えへへ~♡ あーんっ。うふっ、しんこんさんみたいー! ふぃーたちしんこんさ~ん♡」
ソフィがくねくね、と体を捩る。フィオナが「聞き捨てならないな。ユート。浮気は万死に値するぞ」と母さんたちの前から移動して俺とソフィの間に割って入る。
若き暴牛の面々は、レベルが上がったことをほめまくっている。
まあとにもかくも。
こうして【食べるとHPMPが回復する食事】【寝れば超熟睡できるベッド】という、この宿の付加価値を生み出すことに成功。
さらに若き暴牛という宣伝塔も手に入れた。
これから人は増えるだろう。
まだ大繁盛にはほど遠いだろうが、これからだ。これから。
一歩ずつ、問題を解決して、この宿を大きくし、母さんを楽させてやるのだ。