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一般人遠方より帰る。また働かねば!  作者: 勇寛
3章

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100話突破したので【特別版】 朝風呂 のち 朝飯食う だけのこと

感想で教えていただいたのですが、前の話で100話到達してたみたいです。

なので、ちょっと箸休めの変わったことをしてみます。


時系列的に3章の4-0直前のサブストーリー?です。

「あぅぅぅ……効ぐぅぅ……」


 ぶくぶくと鼻の下までを少し色味掛かった温泉へと沈めて瞼を閉じる。

 ふわり、と少しばかり独特な香りの湯の煙を鼻へと吸い込み、ざぶざぶとそのまま顔を洗う。

 ふはぁ、と熱い息を吐いた杉山茂は、寝起き解消にきた朝風呂で、ぐでっとなり始めていた。


「はふぅ……。平日の朝っぱらからこんなことやってていいのだろうか。超、バカンス気分になってんだけど」


 頭の上に安っぽいタオルを乗っけてぼーっとガラス窓の外を眺める。

 申し訳程度の竹垣と日本庭園もどきの石庭、そしてどこまでも広がる青空が目にまぶしい。

 今の時刻を見ようと振り返ると。湯気で曇った壁掛け時計が6:15を指していた。

 そこで今日の予定から後の残された時間を逆算する。

 門倉が迎えに来てくれるのが9:00。少し早目に行動するのが当然なのでフロントに8:45には待っているべきだろう。

 と、考えると8:30までに諸々の準備を終了する必要がある。

 と、なると準備や確認をしたいので8:00には部屋に戻っていたい。

 すると朝食バイキング開始6:30だと少し込み合うので7:00に入ればいい。


(んーと……。そしたらあと30分くらいは風呂でぼーっとしよう……)


 くぁぁ、と大あくびをしながら体を伸ばす茂。

 あまり人のいない時間帯で彼の他には数名しか大浴場には人はいなかった。

 昨晩腹の大きな傷跡を見てびくっとされたので、少しばかり人のいる時間に入浴するのは心苦しい茂としては、なかなか有意義な時間であったのは間違いない。






(いや、やっぱ温泉があるホテルとか旅館の朝飯って和食がいいんだよねー)


 浴衣姿で朝食バイキングの会場にたどり着いた茂は、前の人に続いて盆と皿を取った。

 ふわり、と会場であるレストランに入った瞬間に香ったがんもの煮た匂いだった。

 その瞬間に、ああ和食だな、と腹がそう決めてしまったのである。

 最初に卵焼き、ホウレン草の胡麻和え、筑前煮等々をトントントンと小さく盛ると、魚のコーナーに移動する。


(あー、サバと鮭か……。悩むな、この二択)


 ホテルの朝バイキングで悩むのがこの2種だと茂は思う。

 焼鮭と焼塩サバ。

 こういったビジネスホテルの朝食としては超ド定番である。

 最悪ニつとも取るという策も無いわけではないが、一つに絞って盛るというのが茂のスタンスだ。

 選ばなかったもう一つは、“2周目”で全く問題ないのだから。


「鮭、うん。鮭だな」


 誰にも聞こえないほどの声でぼそりと呟くと、平らなステンレスプレート一面に置かれた小さな焼鮭の切り身を2、3まとめて皿へと置く。

 焼鮭を選択したわけではあるが、塩サバ用に準備された大根おろしをたっぷり盛り付け、その頂点にほんの少し醤油を垂らしておく。

 そして帰りしなにその横に置かれたフレンチフライを皿の端に乗っけると、その近くに置いてある小鉢からスプーンでケチャップをダイレクトに乗せる。

 求めた以外の物を乗っけてしまうのは、きっとコンビニのホットスナックと同じ現象に違いない。


(サラダ、こういう時は無難に……)


 サラダ用に準備された器にキャベツにレタス、コーンと大根、プチトマト3つを乗っけると、ここでも無難に和風ドレッシングをかける。

 ただし、気持ち程度最初に置いた皿にポテトサラダとマカロニサラダを置くのを忘れない。

 そんな中ほんの少しだけではあるが、甘酢の肉団子や焼売に浮気心が騒ぐも、それを必死にこらえメインのご飯の炊飯器と味噌汁のジャーの前にたどり着く。


(どれにしようかなー)


 白飯と雑穀入り、そしてお粥。

 そのまんまとカレー。

 パン食の人用に置かれたコンソメとコーンスープは見ないことにする。

 数秒考えて、白飯を茶碗に盛ると、その横に置かれた小梅と柴漬け、キムチを小皿に乗っけた。

 味噌汁の横に置かれた“ご自由に”のネギを味噌汁に放り込み、漬物の皿にも山にして置く。

 そして一度席へと盆を持って移動する。


「あとちょっと持ってくるものが……」


 きょろきょろと見渡し、ドリンクコーナーで温かいお茶を取りに行く。

 その足で入り口近くのお盆の置かれた位置に山積みになっている納豆を1カップ手に取り、最後にほかほかと湯気の上がるテーブルへと移動する。


(湯豆腐……好きなんだー)


 小鉢に保温容器の中で分厚い昆布と共に温められている豆腐を掬い上げ、ねぎとカツ節とポン酢をかけて席へと戻る。


「んふふ、完璧……!いただきます……!」


 希望通りの和朝食セットを完成させると、手を合わせていただくことにする。

 とりあえずまずは味噌汁。

 ずず、と啜ると普段はあまり手を出さない赤だしの独特な香りが鼻を突く。


(嫌いじゃないけど、こういう機会でもないと赤だし頼まないしな)


 少し辛めの塩気を感じつつ、白飯を一口。

 口の中でもぐもぐとさせているところで、納豆のパッケージをはぐと、ぐりぐりとかき混ぜ、卓上の醤油を垂らし、ねぎとキムチを放り込む。

 そしてまたぐりぐりとかき混ぜる。

 完成した納豆キムチを白飯にどさ、と乗っけるとがつがつと掻きこむ。

 ネギのしゃきしゃき感とキムチの酸味が納豆と合わさり、良いアクセントとなった。


(うん、おいしい。ただなー、もうちょいキムチは若いほうが好きかな)


 熟成されたキムチの酸味が少し強かったのが少しだけ残念である。

 まあこれは人それぞれなので、強く言えることではないが。

 と、飯だけをかっこむのももったいないので、他のおかずに手を伸ばす。

 

「焼鮭、うま」


 茂はこういうバイキングタイプに小さく切られた焼鮭は皮までおいしくいただくことにしている。

 子どもにも提供するためだろう、骨も大きなものは除かれているので、非常に食べやすい。

 小さな小骨くらいならそのまま噛み砕いて食べてしまう。


(大根おろしも、いい感じー)


 ネギキムチ納豆に侵食されていない白飯の箇所に大根おろし多めの焼鮭を乗っけて、掻きこむ。

 焼鮭の香ばしい脂と大根おろしのさっぱり感が非常に良い割合で口の中に広がる。

 かつかつと忙しなく掻きこみ、味噌汁を手に取る。

 今度は逆に味噌の塩辛さがアクセントとなり、食が進む。

 ただ、常に全力で食べ進めると疲れが来るものである。

 箸休めに柴漬けと小梅を1粒、口へと入れる。


こりこりっ……。


 独特な触感の柴漬けと、硬さを感じさせる小梅で一息つく。

 梅の香気が急ぎ気味だった箸を少しだけ押さえてくれた。


(小梅、好きだなー。ただなぁ、種出すのがめんどい)


 ぺ、と小梅の種を皿の端に吐き出し、次のおかずへと移る。

 ホウレン草の胡麻和えや、筑前煮、切り干し大根とちくわの煮つけ、等の小鉢系のおかず。

 結構茂はそういったのが好きな性質だが、如何せん食事時にそういったものは“小鉢で”しか出てこない。

 こういうバイキングの時にがつっと食する機会があるときには逃すわけにはいかないのだ。





「あー、何つーか幸せな気分」


 若干温くなったお茶を手に、完食した茂はちょっとした幸せをかみしめていた。

 朝から風呂に入って、膨れるほど飯を食える。

 それは幸せなことだ。


「さて、ほんじゃあ……」


 壁掛け時計を見ると時刻は7:40。

 徐に立ち上がると、ぼそりと呟く。


「軽くおかわりに行きますか」


 そう、2周目のご飯を頂くのだ。

 それに第一、デザートも食べていない。

 茂の腹は、未だ6分目程度であった。

 テンポが悪いって言われてたので、ごりっと削ってた部分ですが、頭と尻を整えて投稿してみました。


 まあ、たまにこういうのが書きたくなるんです。

 「朝はパン食に決まってんだろ!」編もあったりするんですが、ちょっとそっちは出来が悪いので完璧ボツ案となっております。

 次話からはまたもとの本編に戻すので、1回分大目に見てやって下さいな。


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― 新着の感想 ―
[一言] 挟むタイミングよ
[一言] テンポ悪いよねほんと
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