4 スッパイ大作戦、生きて虜囚の辱めを受けず
がんばってます。朝日がまぶしい・・。
とりあえず自分が道に迷った事を説明し、集落に入れてもらい、現在は村長宅前である。なかなか立派な2階建ての一軒家であった。
「村長さあ~ん、ティファで~す。」
玄関をノックしながらティファが中に声を掛ける。中から返事があり扉が開いた。
「村長さん、こんにちは、あの、道に迷って、あの、ホーンウルフに助けてもらって、この方がそうなんです。」
「ティファ、全然解からん。もっと落ち着いて最初から話せ」
60歳くらいの白いあごヒゲを生やした如何にも村長らしい老人が、ドウドウと馬か犬を落ち着ける要領でティファの肩を軽く叩く。
「もう、村長さんたら、このおじさんが凄いんですよ!魔法でホーンウルフをバアーンて飛ばして、ティファを助けてくれたんだからあ。」
「あー、なんか知らんがありがとう、ティファを彼方が助けた、そんなところですかな。」
村長が頭を下げながら池田に近寄る。
「ははは、そんな大げさな事じゃありませんよ、大した事じゃないので気にしないで下さい。」
頭を掻きながら答える。
「ところで、その妙な格好からして、ハンターかな?」
村長は池田の頭からつま先まで眺め言った。池田の格好はと言うと、頭に鉄帽を被り戦闘服上下でサスペンダーやら防弾チョッキで一応兵士に見えるはずだが?
「ハンター!? いや、まあ、そんなもんですよ...」
(まあいいか、言っちゃあ悪いが未開地の原住民じゃ兵士なんて解からんだろう。)
自分の事は棚に置いて池田は村長に尋ねる。
「村長さん、すいませんが電話有ります?有れば貸して貰いたいんですけども。」
「でんわ、でんわって何? それは何じゃ、聞いたこと無いぞ。」
「無い、ない、やっぱそーだよソーダ村の村長さんにソーダんしても破談だよなんちて!」
「ソーダ村? ここは辺境の村コエン村じゃ、ソーダ村ではない。」
「コエン、コエンかあ聞いたこと無いなあ~」
池田は考え込んでしまった。
「まあ立ち話もなんだから、中に入って話そう、茶でも飲んでゆっくりしょう。」
村長の好意に甘えることにし家に入りイスに寛いでいると、奥さんらしい人がお盆にお茶を持ってき
た。品のいいおばあちゃんという感じで村長と合っている。
「ところで、まだ自己紹介がまだじゃったな、わしがコエン村の村長ボースンじゃ、よろしくな。」
「自衛隊の池田と言います。こちらこそよろしくお願いします。」
「さて、池田さんは道に迷ったと言っていたが、何処かに行く予定だったのかな?」
「そうなんです。国連とか自衛隊とかご存知ないですか?」
「うーん、こくれん、じえいたい」
やぎの様なあごヒゲを扱きながら村長は考え込んでいたが、頭を振り答える。
「聞いたことが無いなあ、池田さんどこの国から来られたのじゃ。」
「日本ですよ、解かりますか? ジャペン、ジャパン、エキゾチックジャペ~~~ン!なんちて!」
ポカ~ンと池田を村長と奥さんとティファの三人の瞳が見つめる。なんなのこの人。
「あははは、これギャグですよ。ギャグあはは。ジャパンのギャグだから・・・ギャグう」
(ちっくしょう~、日本だったら大受けなのに、発音か?ジャぺェエンか?あら、英語?日本語?そういえば何この人達日本語ペラペラ、喋れ~ら、ぺらぺら・・原住民が?えっえええええええええええええ)
池田はいきなり立ち上がると三人をビシッと指差し叫んだ。
「お前らは、お前らはああああ~スパイだあー!」
「「「ちぃが~うぅ~」」」
スパイが何か解からないが、三人は池田が絶対勘違いしていると感じて大声をだした。
サブタイトルに深い意味はありません、すんません。