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二宮浩太郎の独断推理ノート 〜高校生探偵の推理〜  作者: スズキ
最終話 「最後のあいさつ」 VS名門女子校生徒会役員/澄川涼香
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二・会計さんへのお手紙



 予算会が終わった後、会長の井ノ原琴音、二年生の副会長の河野瑠衣、一年生の書記の平野冷夏、そして澄川涼香の四名が生徒会室に集まった。


「しっかし、スカッとしたねえ。極悪部長を倒す姿、カッコよかったなあ。だけど、あたしが出た時は”黙れ”で終わるなんて……」


 副会長の瑠衣が涼香を見て、苦笑いをしながら言った。残念ながら、瑠衣のルックスは、琴音や涼香ほど天照女学院の生徒には人気が出ないようである。


「そんな、私なんて大したことしてませんよ。私は自分の意見を言っただけです」


「あたしの場合はそれ以前に話を聞いてくれなかったんだぞコンチキショーッ!」


 謙遜する琴音に瑠衣がつついた。そんな瑠衣を琴音がなだめる。


「まあまあ、河野さん。あなただって立派な生徒会の一員よ。大丈夫、いつか皆に認められる日が来るから」


「そうですよ、いつか誰か河野先輩を認めてくれますから」


 琴音に続いて冷夏も瑠衣をフォローする。


「いつかって……それがいつなのか判るの?」


「……」


 瑠衣の一言で生徒会室の空気が悪くなる。


「……あたし、意見箱の中身、調べてくる」


 行ってらっしゃい、との声を背に受け、気を落としながら、瑠衣は生徒会室の扉を開けて出ていった。


「それにしても澄川さん、凄かったです。『その他』の欄を怪しいと感じて調査に乗り出し、あの部長をあそこまで追求するだなんて」


 琴音がさきほどの涼香の追及を称賛する。しかし涼香は大したことじゃないですよ、といって謙遜した。


「中学の時、知り合いにこんな事を言われたんです。『重箱の隅を叩け』って。どんなに細かいことも徹底的に追求しろ、って」


「”つつく”じゃなくて”叩く"、そんなおもしろいことを言ってたんですか」


「ええ、面白そうな奴でしょ」


「その人、澄川さんとどういう関係だったの?」


「そうですね、そいつは……」


 涼香が昔の知り合いの話を始めようとした時、ガラガラガラと誰あが生徒会室の扉を開ける音がした。部屋に入ってきたのは先程、生徒会室から出ていった瑠衣だった。大量の紙を腕に抱えている。


「ねえ、見てこの手紙の数! これ全部澄川会計へのエールよ、ほら!」


 瑠衣は抱えている手紙をドサッ、と机に出した。


「凄い、澄川さんにこんなに反響が来ていたんだ」


「この手紙は……『さっきの会計さんの活躍、最高でした。これからも頑張ってください』だって」


 手紙の束を見て驚いた涼香は、一枚一枚手紙を読んでいった。


「こんなに応援してくれいるんですね……皆さんの期待を裏切らないように頑張らないと」


 全体の半分ほどを読んだ時、涼香は一枚の紙に目が留まった。


『澄川会計さんへ。お話したいことがあります。明日、放課後に物理室へ来てください』


 ……話したい事? 一体何だろう? そう思いながら涼香は手紙を見つめる。


「ねえ、どうしたの。その手紙、じっと見てるけど」


「え……ああ、いや、何でも」


 そう言って涼香はその伝言を制服のポケットへ突っ込んだ。


 とりあえず、明日、物理室へ行ってみるか?


 その後、次週に開かれるOGの講演会についての話し合いが始まったが、涼香の頭からは伝言の事が離れられずに、もやもやとした気持ちが彼女の心を支配していた。



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