開運は自分の力で切り開く
昔書いていた小説の主人公を活躍させたくて書きました。
前作の続編みたいなものです。
ちょっとうまくいかなかったみたい。
「あのさ、菊花。ちょっと頼みあるんだけど、街角の占いって知ってる。
そう、スーパーの裏手の駐車場の前で構えてる占い師がいるんだけど、
占いたいんだけど、初めてだからいろいろと怖いわけ、ちょっと代わりに見てもらってくれない。
料金の倍出すからさ」
親友の麻玲の頼みなら仕方がない。あたしは身代わりを買って出た。
そもそも、私は占いを信じない。自分の未来は自分で作るもんだと決めている。
今までそれで生きてきた。テレビの占いランキングなんて見たこともない。
麻玲はそれで一喜一憂しているが、仮に自分の生まれ星が最下位でもかまわない。
そんな物で決められる運なんてないし、仮にあったとしても努力すればいい。
麻玲もなんで私を選んだのか判断に苦しむ。おそらく、私の何ごとにも物おじしない度胸を見込んでなのだろう。
駅から出てスーパーに向かうと占い師が一人で座っていた。
他に客はいないようだ。
あたしは、ずんずん彼の前に向かって行った。
「わしは、俳句の人ではないからな」
何言ってるんだこいつ。あたしは訝しげに占い師を見た。
「お客さんだよ。観てくれない」
「お客さんかのう……。占いはいらないと顔に書いてある」
げっ。流石占い師だ。どうしてわかったんだろう。
「御託はいいから、さっさと観て」
占い師の発言を遮るように促した。
「その必要はない。お主は自分で自分の道を切り開ける。よって終了と言いたいところだが、
これでは友人にアドバイスもできない。一応見ておこう」
そこまで判っているなら、能書きはいいからとっとと観ろよ。私はちょっといらついたが、言われたことはほぼ当たっていた。
あたしは手を力いっぱい開いて差し出した。指先まで伸ばしきり、掌はいくぶんかそらし気味だ。
「ふむ。珍しい。手を開いても主要線がくっきりはっきりしておる」
「そんなに珍しいかな」
「気の弱い人物だと細かい線があっちこっちにあって、運命線が細かい線に負けていたりする。そういう人間はえてして不運だ」
あまり他人の手相を気にかけたことはなかったが、麻玲の手相が占い師の言ったとおりだった。
「恋愛運とかどうですか」
自分の性格は完璧に知っているから、知らないことを聞いてみた。
でも現実のあたしは、恋愛をする気なんてさらさらない。
「男はいらない。一人で生きていくと出ている」
「そりゃそうだ。あたしを見ればわかるよね」
「しかし中年期には、この生き方が逆転する。頼る相手を欲しがるようになる時期が来るであろう」
そんな先のことは関係ない。あたしは今を生きるだけさ。
「今のお主には、余計なことだったかのう。しかし人生と言うのは大根を包丁で切るような分かりやすいものだけではない」
あたしが舵を取る、自分主体の人生が変化することがあるのだろうか?
「いずれ不運が雪崩を打ってやってくる時、お主は平常心でいられるかのう」
急に不安になるような話を振ってきた。占い師の常とう手段だ。でも私はそんなことは気にならない。
不運になればその分努力すればいいだけだ。
「料金はいくら」
「今回は特別タダだ」
「えっ。本当にいいの」
「あんまり占いが必要なさそうじゃったから、それ程読んでもおらぬ。
ただいずれ、努力してもうまくいかぬときがある。その時は別の占い師をたよりなされ」
また不安になるフレーズを出してきたが。あたしは瞬時に打ち消した。
不安な未来は、はじけて粉雪のように消えていった。
「ねえ、菊花どうだった。スーパーの裏手の占い師。いくらぐらいした? 当たってた? 怖いこと言わなかった? 」
「料金はわからない。とられなかったから。あたしは占いが必要ない女だと言われた。でも当たっていた」
「ふうん。当たるのか。でも、怖いこと言われて当たったら嫌だから、やっぱりやめようかなー。どうしようかなー。」
麻玲はまだ決められないようであった。
「占い師は当分商売繁盛だな」
麻玲はまた誰かに占いの身代わりを依頼するだろう。しばらくは偵察係が賑わすことになる。
ひとつ気になるのは、中年ごろに来る不運だった。
「まあいいや、何かあるならその前に実力をつければいい」
あたしは不安の素から完全に決別した。
全編アドリブ、プロットもなしで一気に書き上げました。
こんな適当な書き方ですみません。




