洞窟
「って!何で俺っちもーーーーー!!!」
「アマツ煩い。声響く。」
エニシたちは洞窟の中にいた。
「確かに、俺っちを苛めた罰だって思ったよ。残業なんてついてないな~とか思ったよ。だけど、それは全部他人事だからさ!」
「良いことあるさー」
蜻蛉はエニシの肩に乗ってた。エニシの手には松明があった。
「せめてさ!説明ぐらいはしてよ~!問答無用で連れて来られたんだもん」
寒いらしくアマツは腕組むような形で摩擦を起こしていた。
「書類には最低二人で行けって書いてある。」
「エニシ一人でも強いじゃん!」
「まぁ実際の所アマツの顔が気に入らなかったからだけど。」
「理不尽!!」
洞窟は暗く先がどのくらいか分からない。二人とも白い息とともに話していた。
「エニシ~俺も説明して欲しいー」
エニシは変わらず無表情で頷いた。
「じゃあ、読むよ。
゛時計塔南支部責任者鈴鹿様へ
近頃小倉山で現世の者が死亡する事件が起きた。その事件は隠世が関わってる可能性があるため、本部が調査に出た。
しかし、残念なことに調査団四人の内一人帰還出来ず行方不明となった。そこで、時計塔に一任することになった。
目的は行方不明者の生存確認。
また、事件の重要参考人である兎の討伐である。
(生け捕りも可)
秩序防衛組織依頼係より ゛
だって。」
「つまり?」
「兎退治だっね~!」
「なんて言うか、また本部の取りこぼしを拾うのかー」
アマツは溜め息を漏らした。
「さっすが!本部の鬣犬だねー」
「、、あんまり嬉しくないよ、それ。」
「えーカッコいいよ?」
「俺っちとエニシだからいいけどアキさん辺り本気で怒るよ?」
「確かに~。エニシはどう思う?」
「、、今日はアキの名前をよく聞く日だなって。」
少し間をあけてエニシは言った。そして、先頭を歩いていたエニシは足を止める。
「ん?どうしたのー?」
エニシの後ろからアマツは顔を出して言う。
「あ、別れ道か」
「どうする~?エニシー」
「僕は右に行く。アマツは左。」
エニシは淡々と指示を出す。
「了解」
「じゃあ~待たね~」
蜻蛉は緊張感のない声で言った。
「ああ、また後で。一応気を付けろなー」
「うん、アマツも。」