14. 第十四章 理奈の理論
個人メモ——十二月理奈が言った:関係を築いている。
私は:評価を実施している。どちらも正しかった——でもそれは私が言ったことへの返答ではなかった。
十二月の昼食。南の窓——まだ敵対的でない角度、でも日が短くて
その時間は短くなっていた。理奈が先に来ていた——コーナーテーブル、
二つ目の椅子にバッグ。いつも通り。
リラが来た。セッションノートをフェイスダウンにして座った。
「また読んでた」と理奈が言った。
「ひっくり返した。」「同じことじゃない。」
「理奈。」「言う——あなたがやってることを。」
理奈は食べ物を置いた。「関係を築いている。」
「評価を実施している。」「それは相互排他的じゃない。」
「このコンテキストでは——」
「コンテキストを知ってる。」
理奈はリラを見た。「あなたが職業的に何かを怖がるのを見たことがない。今——初めて見てる。」
「怖がってない。方法論的に複雑——」
「リラ。」一拍。「怖がってない。」
「分かった。じゃあ違う聞き方をする。」
理奈が食べた。「あなたが毎朝8:51にコーヒーを買うのは——今その時間に二階に着いたら十七階まで歩いて適正温度で届く計算をしてるから?」
リラは箸を置いた。「どうやって——」
「あなたを二年間見てる。」理奈は穏やかに言った。
攻撃ではなく。「あなたの通常の到着時間は9:05。四ヶ月前から8:51になった。最初の一週間だけかと思ったらずっとそう。8:51がデフォルトになってる。」
リラは窓を見た。「コーヒーは自動販売機のやつ。ちょうどいい温度で届くには一定の時間が必要で——」
「リラ。」「——二階から十七階まで。」
「リラ。」止まった。理奈は待った——理奈が人を待つ方法で。
空白を埋めずに。答えを引き出そうとせずに。
「データは価値がある」とリラが最終的に言った。
「コストに見合う。」「そっちじゃなくて。」
「何を聞きたいの?」「あなたが集めているデータは——あなたにとって価値がある?」
一拍。長い。「それは評価方法論の問題じゃない。」
「知ってる。」「評価者の客観性は——」
「それを聞いてない。」理奈は穏やかなままだった。
「あなたが毎朝8:51に来て、コーヒーがちょうどいい温度で届くように計算して、そのシステムが——あなたにとって——何かを意味するかどうかを聞いてる。」
リラは窓を見た。外は十二月の昼、光が短い——でもまだ光があった。
「記録の価値は評価者の感情状態から独立してる」とリラが言った。
「あなたが感情状態を言及したのは初めて。」
リラはその通りに気づいた。理奈は食べた。
「ずっと聞く気になったら言って」と理奈が言った。
「急がない。ここにいる。」リラは食べた。
食べながら思った:
理奈は正確だ。コストが何かを聞かれた——コストに見合うかどうかを。
「見合う」と言った。真実だった。
「そっちじゃなくて」と理奈は言った。
理奈が聞いていたのは:
コストとは何か?それを、リラはまだ容器を持っていない語で
答えなければならなかった。帰り道。
橋の上で止まった——二分間、水を見た。
冬の川——静かで、平坦で、でも動いていた。
動いているのは見えなかったが動いていた。
歩き続けた。第三のファイルを今夜開くかもしれない。
開かないかもしれない。どちらにしても——8:51に起きることを知っていた。
コーヒーを二階で買うことを。
十七階へ歩くことを。これが選択かどうかをまだ決めていなかった。
でもそれをすることは決まっていた。
◈由紀が「明らか」を使った——本来の意味で。
新しい科学プロジェクトの計画セッション。
「合成フェーズはここ」と言いながら春樹のタイムライン図の
一番時間がかかる部分を指した。
「時間がかかるのは——明らか。」
ここで使った「明らか」は二つの意味を持っていた——同時に。
辞書の意味:証明不要のこと。
二人の意味:言語化する前に両方が知っていること。
「うん」と春樹が言った——両方の意味で。
恵子が言った:
「何が明らかなの?」「合成フェーズが時間かかるってこと」と
由紀が答えた。「いつも予想より長い。」
「そうね」と恵子。図に戻った。
春樹と由紀は説明しなかった。
「明らか」が恵子に見えている意味と二人にしか見えていない意味の
二層構造を説明する語がまだなかった——二人の語彙にも日本語の辞書にも。
それが語彙を持つということだった——翻訳不能な意味を二人の間だけに保持すること。
颯太のノート:
四十四。図書館の光は16:15。
秋に終わった角度より少し低い角度で。
冬の16:15の光——別の色。
でも同じ時刻。時刻は変わらない。
光は変わる。これも「明らか」だった——でもこの「明らか」は
まだ語彙の中にはなかった。いつかなるかもしれない。
今はまだ——知っているが名前のない一つのことだった。




