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俺の初恋は若年性  作者: わたしはオジヘル
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プリンセスキャリーしてきまして

真菜先生。


可愛い聖女を車椅子からプリンセスキャリーしてきまして。


ソファーへ移動して膝にのせまして。


でもって先生のお言葉どおりbaby抱っこしまして。午前中お言葉どおりにいたしまして。これりゃシナトラの歌じゃないのかしら、と。


伯母様は


「朋子ちゃん、もう尻に敷いたの。あなたたち一日そうしてらっしゃい。」


と。


それからです、


「朋子、僕のことを赦してくれる?」


耳元でいうと、


「ゥ」と、遠くを見たまま声にならない声で三歳児がするようにうなづいたのです。


側で見ていた伯母様はまたハンケチを取り出しました。あとで僕も二階にあがって三十分ほど泣きました。やはりドクター指示には文句を言わないで従えと肝に銘じた次第です。


僕は去年5月から、朋子の声帯から出る音というものを聞いたことがありませんでした。伯母様とて数年ぶりなのだと。僕も伯母様も、すでに忘れているのだと思っていました。けれども朋子は声帯の震わせ方を覚えていました。

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