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これは実話です。

作者: 空暮

はい

 これは私の友人から聞いた話です。その時の雰囲気をそのまま残しておきたいので、その時の話しぶりのまま残しておきます。









 あぁ、うん。そうだよ。怖い話でしょ。いいよ、とっておきのあっから。

 

 ――そうなんだ。以前言ってくれた俺らの地元の話?


 うん。コレ、オレのばあちゃから聞いた話というか......あー、ウチで聞いたというか、お前も知ってると思うけど、オレらの通ってた小学校の前のさ、国道###あるじゃん? M町のあの道って死神がいるってオレのばあちゃが良く言ってくれたのよ。その死神ってのが、タチが悪くて、何年かに一度、人を連れていくのよ。


 ――あの歩道橋あるとこ?


 そ。そもそも歩道橋出来たのだって子供が死にまくってたからだぜ? コレ、オレの母親もばあちゃから何度も言い聞かされたみたいでさ、「どんな急いでても歩道橋使いなさい。あそこには死神がいるから連れてかれるよ」って。実際、母親が学校行ってる時も同じ学校のやつが轢かれて死んだらしいし。そのせいで歩道橋できたって言うし。


 ――何で死神がいるって話になんの? よくある話じゃん。


 あそこの国道さー、めっっちゃ見張らしいいじゃん? 邪魔なもんないし道広いし、田舎だからさ。本当に広い一車線の、つまんねー何もない、スーパーも無ぇ、車の出入りもないし。なのに何で人がそんな簡単に轢かれるかって考えたことある?


 ――小学生の不注意舐めんなよ? 俺だって轢かれかけた事あるわ。


 あれはお前がチャリで転んだからだろ。ウチのばあちゃに聞いたことあんの。オレ。「何で死神なんて言うの?」って。そしたら「アタシの同級生が連れてかれて、夢に出てきて教えてくれた」って言うんだよ。ウチのばあちゃちょっとスピ入ってて、占いとかおまじないとかめっちゃ信じてて、で、さ。オレも見た事あんだよ。


 ――死神?


 そ。オレはアレ高校生の頃だけど、塾通ってて、雨降っててさ。帰りも夜だし母親が車で送迎してくれてたんだよ。その時ケータイいじってたんだけど、窓に雨がついててそれに光が反射して「あ~何か綺麗だな......」って思って外ボンヤリ見てたんだけど、そしたら、あの###の歩道橋あたりまで来たらさ......居んだよ。何か。何か......。


 ――いや、そこスパッと言えよ! 怖いとこだろ!


 いや......話しててさ。オレ見たんかなって。見たっていうか、なんだ。例えばよ? 上が赤くて下が白い、ボールの形してるものって、遠くから見ても、目が悪くても「あ、モンスターボールかな」って分かるやん? アレと一緒でさ、見たってよりも”分かった”に近いんだけど。歩道橋の下の電話ボックスの横で立ってたんだよ。死神が。


 ――は? どんなだよ、はよ言えや。


 最初はマジで何か分からんかったんよ。雨で見えにくい窓でさ、ボンヤリとしか見えんくて、それ。最初は電話ボックスの灯りを見てたんだよ、オレ。そんなもん見たくないのにさ、オレに見えるようになりやがったんだよ、マジで。オレは見たくなんか、分かりたくなんかなかった。オレはただ、暗いとこに光ってる電話ボックスの光が綺麗だなって思っただけなんよ。



 ――いやだからさ。お前......。



 ......白かった。上の方が赤くて、下が白くて。白いのは服、和服でさ。その和服の裾から枯れ木みたいな足が一本伸びてて。いや、地面からマジで枯れ木が生えてるみたいだった。顔は背負ってる赤い唐傘で見えなくて、見る気なんか無かったんだよ、ヤバイって。ヤバイって思って目を離そうとしたら――傘を動かして、オレを、見たんだよ。





 だからオレ、もうあそこ通らないようにしてんだよ。つか、地元に帰りたくねぇ。だからオレ、埼玉に一人暮らししてんだよ。でもこの間、親父の通夜で帰った時、雨降ってやがって、嫌だったけどあの###を通ったら――いたんだよ、アイツ。また笑ってやがった、クソ。お前も子供いるんだろ、だったらあの学校の近く通らせんなよ、多分アイツ、”そろそろ”だわ。






 実話です。調べないでください。


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