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第40話 方法は

 急は要する。ヘイエイの意識がこちらに向けば再び突っ込んでくる。


 それまでに方法を考えなければならないが、アフェレーシスの応用、しかも空の魔石がない状態で行うには方法がいくつかあるが、一番は口付けだ。


 理性の欠けた状態であれば難なく出来たことが、意識してしまっている相手にやるのは勇気が要る。


「……昔、俺を押し倒して魔力を奪おうとしていたのにか?」


「ん!?」


 ため息混じりにとんでもない言葉が飛んできて私は声を詰まらせた。今、なんて言った?


「え、えーと、今、なんと?」


「君は昔、魔石欲しさに俺を助けたついでに押し倒して魔力を奪おうとした、と言ったんだが?」


「……」


 心当たりがすごくある。昔、バーサーカーみたいに荒れていた時に出会った男の子。


 魔石獣の幼体に襲われていたところを助けたけど、すごく質のいい魔力を持っていたから助けたお礼に魔石を貰おうと迫った記憶が瞬時に脳裏を駆け巡る。


 結局師匠に後頭部を叩かれて止めたんだっけ。そっか、あの時の男の子か。

 そっか……。今すぐ顔を逸らしたい。


「技術的な問題から出来なくなったわけではないなら事態は急を要する。俺が許可するからアフェレーシスの応用で魔力を奪え」


 真っ直ぐ見つめられて私は視線が逸らせなくなった。


 迷っている間に意識がはっきりしたヘイエイが前脚で床を掻き突進する準備を始めている。


 迷っている時間は正直ない。


「あの、方法がその、口付けなのですが、大丈夫ですか?」


「っ!」


 相手も意識したのだろう。一気に顔が赤くなり咳払いをした。けれどそれは一瞬で、すぐに真剣な表情になった。


「構わない。その代わり、これは緊急処置で、ノーカンにしてくれないか?」


 いいんだ。ノーカンって何の? と疑問が浮かんだけれど私は緊急処置と割り切ってレウニールをする決意をした。


 深く息を吸いって早鐘を打つ心臓に鎮まれと念じながらアランの両頬を両手で包んだ。


 間近で見ると本当に顔が整っていて心臓が早鐘を打ってうるさい。彼に聞こえていないだろうか。


 やっぱり今からでも他の方法を、と考えている間にもヘイエイが苦しそうに声を上げて壁に額を打ちつけた。


 意識している場合じゃない。


 珍しい魔石獣の幼体から魔石を採取するつもりだったけど、人工魔石を埋め込まれて苦しんでいる姿を見たら助けないわけにはいかない。


 意を決して顔を近づけた。


「レウニール」


 アランと唇が触れ合い、重なる。


 私の腰に回っていた彼の手が一瞬ぴくりと反応したのが伝わったけれど、私は続けた。


 軽く添えられていただけのアランの手は口付けが深くなるにつれて片手は私の後頭部、もう片手は腰を強く抱く。


 ちょっ、力強っ! 


 口付けている間にレウニールの効果で魔力弾が出来上がった。


 魔力弾は魔石のように魔力と同じ力の弾が出来る。


 アランから出来た魔力弾の色は漆黒。闇だ。アリスが光属性なら兄は闇属性か。


 兄妹揃ってレア中のレアな魔力を持ってるなんてうらやま、じゃなくて、これなら額の人工魔石を壊せるかもしれない。


 私はアランの肩に両手を乗せてグッと押した。


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