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喜田君ち  作者: 水藍
8/13

昨日の夜ご飯

「昨日の夜ご飯、思い出せなくなったらヤバいんだってー」


「思い出せないとかあるー? 昨日の夜ご飯でしょー?」


「えっとー」


「…あれ?」


「あ! ハンバーグ!」


「あたしうどんだった!」


「あたし麻婆豆腐だった!」


「やだー。すぐに出てこないもんだねー」


「意外とねー」


「危ない危ない」


 そんなことを言ってる女子三人組の隣。そりゃ老化の話だろ。と思いながら俺も夕食を思い出す。カレーだった。よし。こっそり安心した俺は隣の喜田君に聞いてみる。


「喜田君ちの昨日の夜ご飯何だった?」


「…」


 暫くの沈黙の後、喜田君はうーん…。と、小さく唸る。…あれ? 思い出せないの?


「食材は分かる。鶏挽き肉、人参、玉ねぎ、キャベツ、トマト缶、コーン、米、各種調味料」


 え? そこから?


「おかんはミネストローネとコーンピラフを作ろうとしたと言っていた。しかしミネストローネを作る時に具だくさんのミネストローネを作ろうと、ベーコンの代わりに鶏挽き肉を使ったのがそもそもの間違いだった」


 …ごくり。何の話をしているのか分からないけれど緊張が走る。俺は黙って喜田君の話を聞いた。


「おかんは全ての食材を鍋に入れ、煮ている時に気が付いた。これ、ミートソースじゃん」


「…」


「しかし今からパスタに変更はできない。何故なら既にピラフの準備をしていたからだ」


 え? 喜田君どうした? キャラが。


「そしておかんはここでもミスを犯した。本来ピラフは米と具材をバターで炒めてブイヨンで炊くもの。だが、今回は具材を炒めず炊飯器に投入し、そこにコンソメとバターを入れるという方法で挑んだ。そう言えばと思いつき、コンソメの代わりに冷蔵庫にあった出汁を使用する事にする。そして味を調えて炊飯器のスイッチを押した」


 もう何の話だか分からなくなってきたけど喜田君の話は終わらない。


「おかんは炊き上がったピラフを見て気付いた。そう言えばピラフ感を出すのに必要不可欠なバターを入れ忘れた。炊飯器の中には出汁で炊かれた米。これ、炊き込みご飯じゃん」


「…」


「って訳で、昨日の夕食何だった? って聞かれると難しいかな」


「作ろうとしたものと、できあがったもののギャップがね」


 っていうか、そんだけ覚えてるなら心配ないよ。喜田君。

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