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喜田君ち  作者: 水藍
6/13

親切

「この前、近所のおばさんに教えて貰ったんだけど」


 と、次の授業の教科書を出しながら喜田君が言った。


「うん」


「昔、おかん、駅の階段でベビーカー持って上げたんだって」


「良いおかんだね」


「ちっちゃい赤ちゃんが泣いちゃって、抱っこしたは良いけどベビーカーどうしようって新米ママさん困ってたらしくて」


「へー」


「でも、その時三歳十五キロくらいの俺を抱っこしてたらしいんだよね」


「…」


「片手に俺、片手にベビーカー持ってさっさと階段上ってったらしいよ」


「おかんはターミネータかなんかなの?」


「普通のおかん」


「俺、この前米持たされたけど五キロでもキツかったよ」


 あれ三袋分ってマジか。


「俺もそう思って聞いたんだけど、米は五キロでも重いけど子どもは十五キロでもいけるんだって」


「おかんは偉大だな」


「小さな赤ちゃんの時の方が重かったって言ってた」


「そんなことある?」


「雑な扱いできないからって」


「なるほど」


「数年後に、助けてあげたお母さんが子ども担いで走ってるの見たって」


 子が育てば親も育つ。

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