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第1話 無量大数も涙目のグラハム数を解説します

2019年7月11日異世界某所──


作 : 小説家になろうの姉妹サイト、ミッドナイトノベルズにも投稿をはじめた『五

  つの魔書の物語』の外典をはじめたいと思います! 作者です!

K : ──うーん... この、某ライトノベルの金字塔のあとがき的な...

作 : あれが大好きでしてね... mixiなんかもずっとこの形式で日記を書いていたり

  します。

K : ほぅ... しかし、あとがきを本家の小説家になろうでやるのか? 本編は隔離

  されてるのに?

作 : いや... あとがきではなくてですね... 外典と云いますか... 表題にもある

  ように『五つの魔書の物語』に関連する巨大数講座を... やります!

K : ん? あ、ほんとだ...

作 : さて、1時限目は、魔男爵ことアッカーマン関数の解説しようかと思ったので

  すが... アッカーマン関数の強さを感じてもらうために、まず、巨大数の大き

  さを測る物差しの目盛りとなるグラハム数の解説から入りたいと思います。

K : なに、そのお中元みたいな数...

作 : 巨大数としてギネスブックに載ったことのある数です(ドヤ顔)

K : じゃあ、それ── +1

作 : ふっ...

K : うわ... オタクの微笑だ...

作 : ふっ...ふっ...ふっ... では、グラハム数人の村があったとします...

K : それは、村なのか...

作 : 村人の99%がきのこ派だったとします... 

K : きのこ派...

作 : そして村人の、たった、たった1%が、たけのこ派だったとします... 

K : 煽るな...

作 : このとき、この村には、きのこ派が約グラハム数人いますが、しかし、たけの

  こ派も約グラハム数人いるのですよ(ドヤ顔)

K : ふーん(棒)

作 : つまり、グラハム数を定義する関数があまりにも強すぎて、それに対して足し

  算を適用してもグラハム数に近似してしまうんです...

K : でもさ...『五つの魔書の物語』の第ω話にはこうあるじゃない──


 4、『剣の魔法』は、その呪文に対応するFGH(急増加関数)の順序数に対して+1以上の『盾の魔法』を貫けない。


K : ──よくわからないけれど、この── +1 は?

作 : ああ、いい質問です...

K : 話の腰を折っちゃったかな?

作 : いえいえ... そうですね... この意味を知るためにも、まずは、グラハム数

  がどんな数なのか... 学んでいきましょうか...

K : はい、せんせ。

作 : ...け、Kさん...!? 僕のこと... せんせ... って...

K : ──おい、これもミッドナイトノベルズ送りになるぞ。

作 : ヒエッ...

K : ったく...

作 : さ... さて、足し算とか掛け算とかを包括して「演算」と、ここでは呼ぶこと

  にします... で、演算にはそれぞれレベルが割りふられて、この演算のレベル

  が高いほど「強い演算」と考えることにします。

K : そのレベルってのは、どう決まるんだ?

作 : そこですよね... ある演算が連続したとき、演算のレベルがひとつ上がると考

  えます‥ 例えば、足し算をレベル1の演算と定義すると、レベル2の演算と

  は? Kさん──

K : 足し算の連続だろ──


 3 = 3×1

 3+3 = 3×2

 3+3+3 = 3×3

 3+3+3+3 = 3×4

 3+3+3+3+3 = 3×4

  :


K : なるほど掛け算か。

作 : そうです! では、掛け算の連続は?

K : 掛け算の連続は──


 3 = 3^1

 3×3 = 3^2

 3×3×3 = 3^3

 3×3×3×3 = 3^4

 3×3×3×3×3 = 3^5

  :


K : 冪乗か?

作 : そうです!そうです! 冪乗もしくは累乗といって、いわゆる指数関数的な増

  大というのは、このレベル3の演算を意味しますね。さて、グラハム数への登

  頂は、この次、レベル4の演算の話から始まります。

K:冪乗の連続か、聞いたことないぞ──


 3 = 3

 3^3 = 27

 3^3^3 = 19683

 3^3^3^3 = 7625597484987

 3^3^3^3^3 = 443426488243037769948249630619149892803

  :


K : こうか?

作 : ふっ...

K : うわ... オタクが微笑んだ...

作 : 冪乗の掛かり方が違います...

K : わかった... 右ではなく左から計算するんだな?


 3 = 3

 3^3 = 27

 3^3^3 = 7625597484987

 3^3^3^3 = 3^7625597484987

 3^3^3^3^3 = 3^(3^7625597484987)

  :


K : こうだろ?

作 : はい... 掛け算よりもレベルの高い演算は、計算の順序を入れ替えると解が変

  化してしまいますのでね... ちなみに、このレベル4の演算であるテトレーシ

  ョンは、巨大数ではクヌースのタワー表記を使って次のように書きます。


 3↑↑1 = 3

 3↑↑2 = 27

 3↑↑3 = 7625597484987

 3↑↑4 = 3^7625597484987

 3↑↑5 = 3^(3^7625597484987)

  :


K : テト=マ=リッサーさんの名前の由来はこれか...

作 : そうです!そうです!

K : しかしこの... 3の7兆6255億9748万4978乗って... 何桁くらい

  の数になるんだろ...

作 : 約3兆桁の数に...

K : 約3兆桁か... 小学生の戯言みたいな数だな... たしか、無量大数が69桁だ

  ろ... 想像がつかないぞ... 例えばさ、大阪ドームに小麦粉を詰めたら何粒く

  らいになるんだろうか?

作 : なぜ、大阪ドームに小麦粉を詰めようと思った...

K : ぱんぱんに。

作 : ううん... 例えば、直径930億光年の観測可能な宇宙を水で満杯にすれば、

  その水分子の数は、113桁くらいの数になりますね。

K : え...!? 思ったより桁数が伸びない...

作 : あまり桁数が伸びないというより、十進数というのが、大きな数を表す関数と

  して高性能なんだと思います。

K : ならさ... 3の「3の7兆6255億9748万4978乗」乗か? これ

  は指数が約3兆桁の数になるんだよな?

作 : そうです... ここまでくると... 宇宙的な話は形容を成さなくなってきます

  ね... グラハム数の大きさの説明として、観測可能な宇宙の全物質をインクに

  変えても十進数で書くことが出来ない... というのは、すでに、ここでそうな

  ので適切ではないのですよね...

K : もう、十分に巨大数として大きい気がする...

作 : では、このテトレーションの連続を考えてみましょうか... Kさん──

K : これを連続させるのか...

作 : ええ... 巨大数に容赦はないんです...


 3

 3↑↑3 = 7625597484987

 3↑↑(3↑↑3) = 3↑↑7625597484987

 3↑↑(3↑↑(3↑↑3)) = 3↑↑(3↑↑7625597484987)

 3↑↑(3↑↑(3↑↑(3↑↑3))) = 3↑↑(3↑↑(3↑↑7625597484987))

  :


K : だろ?

作 : ええ...(遠い目) これがレベル5の演算であるペンテーションです。クヌー

  スのタワー表記では次のように書きますね...


 3↑↑↑1 = 3

 3↑↑↑2 = 3↑↑3

 3↑↑↑3 = 3↑↑(3↑↑3)

 3↑↑↑4 = 3↑↑(3↑↑(3↑↑3))

 3↑↑↑5 = 3↑↑(3↑↑(3↑↑(3↑↑3)))

  :


K : ぐろいなぁ...

作 : ぐろいですね...

K : これ R-18 なのでは?

作 : その判断は運営に任せます...

K : 3↑↑↑3はさ... 指数の階段が7兆6255億9748万4978段あるわけ

  だよね?

作 : はい... 小学生でも潜在的な良識から想像に至らない大きさですね...

K : 潜在的なものから脱却する必要があるのか...

作 : あ、こうしたらもっと大きくなるんじゃ... という着想にパラメーターを全振

  りしてみればよいかと...

K : たしか... 指数の階段が5段になると、宇宙的な話が意味をなさなくなるんだ

  ったか?

作 : はい。

K : だのに7兆6255億9748万4978段もあるわけだな... ということは

  3↑↑↑4になると指数の階段が3↑↑↑3段になって、さらに3↑↑↑5になる

  と指数の階段が3↑↑↑4段になって...

作 : ちなみに、7兆6255億9748万4978段の指数の階段を書くのに、例

  えば1秒間に10回の3を書いたとしても、2万年以上かかりますね... 指数

  表記するのだけ、で...

K : これさ... 小学生みたいにさ... 無量大数の無量大数倍の無量大数倍の無量大

  数倍の── って無量大数年くらいやった数とどっちが大きいの?

作 : ああ... それも、あまり伸びなくて、指数が100桁もいかないです...

K : 指数が100桁もいかないということは、指数の階段が4段から5段の世界

  か...

作 : そうなりますね。

K : ならさ... 中学生みたいにさ── 無量大数の無量大数の無量大数の...(無量

  大数回)...無量大数乗乗乗...(無量大数回)...乗みたいなの── だと?

作 : それなら3↑↑↑3には届くんですが... 3↑↑↑4には全く届かないですね...

K : ペンテーションってかなり強いのでは?

作 : 強いですが、次のヘキセーションはもっと強いですよ?


 3↑↑↑↑3 = 3↑↑↑(3↑↑↑3)


K : ええと... これは指数の階段が...

作 : 約3↑↑↑↑3段です。

K : なんだよ! 約3↑↑↑↑3段って! 3↑↑↑↑3を説明するのに、なんで

  3↑↑↑↑3を使うんだよ!?

作 : もうね... 桁数とか指数とか... 誤差なんですよ...

K : 指数が... 誤差...

作 : ヘキセーションにもなると、テトレーションを単位にしないと無理ですね...

K : そうなんだ...


 3↑↑↑↑1 = 3

 3↑↑↑↑2 = 3↑↑↑3

 3↑↑↑↑3 = 3↑↑(3↑↑(3↑↑(...(3↑↑3)...))) ※3↑↑↑3重

 3↑↑↑↑4 = 3↑↑(3↑↑(3↑↑(...(3↑↑3)...))) ※3↑↑↑↑3重

 3↑↑↑↑5 = 3↑↑(3↑↑(3↑↑(...(3↑↑3)...))) ※3↑↑↑↑4重

  :


作 : さて、ここにきて、やっとグラハム数への登頂の準備が整いましたよ...

K : え!? まだ登ってないの!?

作 : ええ... まだですよ? 3↑↑↑↑3 をとりあえず「G1」とします... 

  このとき「G64」がグラハム数です... つまり?

K : つまり...

作 : つ...ま...り...

K : うざ...

作 : Kさん──


 G1 = 3↑↑↑↑3

 G2 = 3↑↑↑↑↑3

 G3 = 3↑↑↑↑↑↑3

 G4 = 3↑↑↑↑↑↑↑3

 G5 = 3↑↑↑↑↑↑↑↑3

  :

 G64 = 3↑...(63本)...↑3


K : というのは、潜在的な良識のなさしめる業だよな...?

作 : そう...


 G1 = 3↑↑↑↑3

 G2 = 3↑...(G1本)...↑3

 G3 = 3↑...(G2本)...↑3

 G4 = 3↑...(G3本)...↑3

 G5 = 3↑...(G4本)...↑3

  :

 G64 = 3↑...(G63本)...↑3


K : いや... さすがにこれは...

作 : それがグラハム数です。

K : でか! ふざけんな! でか!

作 : でかいですよね... なんというか、無限より大きそうな気がしてきます...

  無限ってほら、既知の有限の最大値の遥か向こうってくらいにしか想像できな

  くて、その遥か向こうという想像を絶してますからね...

K : きのこたけのこの話に戻るけどさ... つまりグラハム数に対して、例えば、そ

  うだな... 例えばグラハム数のグラハム数倍とかを考えても、グラハム数って

  のは、G63、G64、G65... っていう加速系にいるもんだから、少なく

  ともG65にならない限りはグラハム数+1もグラハム数↑↑グラハム数も、

  誤差の範囲になってしまうってことか?

作 : 聡明でいらっしゃいますね...

K : なら...


 4、『剣の魔法』は、その呪文に対応するFGH(急増加関数)の順序数に対して+1以上の『盾の魔法』を貫けない。


K : これは?

作 : いい質問です... 急増加関数の順序数に「+1」するには、例えば3↑↑3が

  3↑↑↑3になる必要があるんです... この矢印の本数を一意に表せる関数が

  あるなら、その関数の演算のレベルは「ω」です。

K : ほう...「ω」というのは...

作 : この「ω」は最小の無限大を意味します... そして「ω+1」のレベルに相当

  する演算が、グラハム数を定義したGnみたいな関数です。ということは...

  さらに「+1」するには? Kさん──

K : ふむ... 潜在的な良識を脱ぎ捨てて...

作 : 脱ぎ捨て... Kさんが...  ゴクリ...

K : おい... それ以上はミッドナイトノベルズだぞ...

作 : うっ...

K : ったく... ええと... こうしたらもっと大きくなるんじゃ... という着想に

  パラメーターを全振りすればいいんだな...


 H1 = G64

 H2 = G(G64)

 H3 = G(G(G64))

 H4 = G(G(G(G64)))

 H5 = G(G(G(G(G64))))

  :

 Hn


K : こうだろ。

作 : はい... そうなってやっと急増加関数の順序数に対して+1です... というわ

  けで、次回は、その「ω」の強さを持つアッカーマン関数を解説します。


 ~続く~

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