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草案  作者: 禄星命
第4章
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─第6話 揺らぎ─

アルディとフレイアを鉱山に残し、三人は村の中心地まで引き返す。

「あの二人、放置しちゃって大丈夫かしら?」

ヴィオラは来た道を振り返る。それに対してサフィラスは、“何とかなると思うよ”と返答する。

「⋯いがみ合いは、当人同士が本心でぶつかり合って解決するしかないからな。今回が良い切っ掛けになるだろう。⋯事態が好転するかはそいつら次第だがな」

「それって───」

「さて。お前らが遂行すべき内容についてだが⋯」

ヴィオラの声を遮り、ヴァイドは二人に紙を突き付ける。

「俺の素材調達に付き合ってもらう」


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


一方留守番中のリベラとチルアは、暖炉の前で仲良く編み物を楽しんでいた。

「そうそう、右手の針に糸を絡ませて、そのまま左手の針に⋯」

「こ、こう?」

「はい!バッチリなのです!若い子は飲み込みが早くて教え甲斐がありますねぇ」

「えへへ⋯」

照れ笑いをしながら、リベラはひと編みひと編み針を動かす。

「ちなみに、そのマフラーは何方かへの贈り物なのです?」

「えっ、と⋯」

リベラは手を止め、躊躇いながら言葉を漏らす。

「お世話になった人に。受け取ってくれるか分からないけど⋯ありがとうの気持ちは言葉だけじゃなく、形にもしたくて」

「大丈夫!これだけ真心がこもったマフラーなのです。きっと、その方も喜んで受け取ってくれますよ」

チルアは慈愛に満ちた表情を浮かべる。その微笑みに一瞬、母親の姿が重なった。

「⋯ママ」

「どうかしたのです?」

「⋯ううん、なんでもない」

霞む視界を振り払うように、リベラは首を振る。

「───リベラちゃん」

チルアは椅子から立ち上がると、彼女を横から優しく抱擁する。

「無理しなくていいのです。辛い時は泣いて、楽しい時は笑顔になって。自分の気持ちを抑え込まなくていいのですよ。⋯私はリベラちゃんのお母さんではありませんが、本当のお母さんと同じくらい、甘えてくれていいのですよ」

リベラの顔をそっとハンカチで拭い、変わらず微笑みを向けるチルア。その母性に、彼女は堪らず嗚咽を漏らした。

「よしよし。今までずっと、大人しかいない中でよく堪えてきましたね。ご褒美に晩御飯は、リベラちゃんの好きな物を何でも作ってあげるのです」

「うっ⋯ひっく」

「いっぱい泣いて落ち着いたら、またお話しましょう?リベラちゃんに聞きたいこと、沢山あるのです!」

リベラが頷くと、チルアは満面の笑みで少女の頭を撫でた。

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