─第9話 反逆の一手─
この世界には、七つの国がある事はご存知ですね?中でも過激な国が、かの有名なルベール。力をもって他国を制する王が君臨しています。
その目に余る暴君に反抗したのがエレウス。そう、この国ですね。我が国は世界の貿易を担っていますから、ルベールに経済制裁を行いました。
お互い一歩も譲らず、まさに一触即発。その最中、秩序を維持しようと動いた国がありました。それが、サフィラスさまが訪れた国。スティアは世界の法を担っています。それを行使して、ルベールとエレウスの間を取り持ちました。
さて、ここからが作戦に関係してきます。中立状態にある、残りの四つの国です。彼らは中立が故に、ルベールに加担する可能性があるのです。そうなってしまうとサフィラスさまの命が危うくなるのは勿論、世界に暴徒が溢れてしまうことになります。
ルベールの王は、欲したものは手段を選ばず手に入れる人。サフィラスさまの行く先を絶つ為にも、恐らくは四つの国と結託するでしょう。
なので、手遅れになる前にサフィラスさまご自身で各中立国に手を打ってほしいのです。この国自ら動いてしまうと、ルベールがそれを察知し更なる波乱を呼んでしまいますから...。
交渉材料はこちらで用意いたします。それと、旅に必要なお金も。直接動けない代わりに、援助は惜しみませんわ。
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「───以上がこちらからの案です。何か質問はありますか?」
「途中でルベールの遣いと鉢合わせする可能性があるのが怖いわねぇ」
「中立国がどれだけルベールから干渉を受けているか、それに加え我々の情報がどれだけ漏れているかだな」
王妃の問いに、ヴィオラとアルディが挙手をする。それに対し、王妃は頷いた。
「順番にお答えしますね。まず、ルベールと遭遇する可能性について。これは勿論避けられないでしょう。ですが、彼らは必ず紅の鎧を身に着けています」
「目視で避けるしかないってコトね...。まあ、その辺はフレイアちゃんとかが得意そうだから大丈夫かしらね」
「はい。フレイアにお任せください。その手の事には慣れていますので」
フレイアは淡々と答えた。
「次に、干渉と情報漏洩について。これはスティアの王から手紙にて報せがありましたが、イルミスには既に賞金稼ぎが集まり始めているようです」
それを聞いたヴィオラは更に質問を投げかける。
「他の国はどうなのかしら?」
「ご安心を。残り三カ国には、まだルベールの遣いは訪れていないそうです。ですが...」
「それも時間の問題だね」
既にルベールの王と対峙してから結構な月日が経っている。リベラは心配そうに大人達のやり取りを聞いていた。
「ええ。なので、サフィラスさまにはこの国から一番近い“クーロン”へと行っていただきたいのです」
「うん、そうさせてもらうよ」
「では、出発は明日の朝に。皆さまは、今日はゆっくりと英気を養ってくださいませ」




