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草案  作者: 禄星命
第2章
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─第7話 代償─

「こちらに王がいらっしゃいます。くれぐれも粗相のないように」

側近に通されたのは、王の寝室だった。ベッドには、苦しそうに唸る老人が横たわっている。

「これは...。かなり進行してしまっているね」

頭部から下は、苔むした木へと化していた。辛うじて人型を保っているものの、もはや人間と言える状態ではない。

「そ、そなたは...?」

「そうだね、説明したいところだけれど。まずは病の治療からさせてほしい」

リベラ達が遠巻きに見守る中、サフィラスは王の額に手をあてる。

「げほっ、げほっ!...本当に、治せるのか...?」

眉間にシワを寄せながらも、か細い声で王は藁にもすがる思いで尋ねた。

「大丈夫、私を信じて。さあ、肩の力を抜いて瞼を閉じるんだ」

王は言われた通りに瞼を閉じる。そして彼の深呼吸が聞こえた後、サフィラスは術を紡ぎ始めた。

「───Erodom,erodom,inatagus.Ikebura───」

暖かな光が、王の身体を包み込む。すると、みるみるうちに枝が指になり、幹が胴体へと変化していった。

「───よし、もういいよ。指は動かせるかい?」

恐る恐る、王は指に力を入れる。そして目を見開くと、歓喜の声を上げた。

「...動く!ああ、紛うことなきワシの皮膚じゃ...!本当に、治ったというのか...!」

「───っ、げほっ」

ぽたり。絨毯に数滴の赤い液体が滴る。

「サフィラス!?」

「平気、だよ。これくらい、なんてこと───」

押さえた手の隙間から、生暖かい血が絶えず零れ落ちる。

「ちょっと、どう見ても大丈夫じゃないわよ!?」

「サフィラス様!」

駆け寄ってきた仲間の声が届かぬうちに、サフィラスは意識を失った。



──────────



“サフィラス。術を安易に使ってはいけないよ”

父親が生きていた頃、耳にタコができるくらい聞かされた警告。あの頃の私は、その言葉の重さを理解できていなかった。

“我々は長寿だ。天命を全うすれば、千年は生きられるだろう。けれど、術を濫用した者はそうはいかない。術を行使した分だけ、生命が削られるんだ。お前にはその末路を辿ってほしくない”

...私は、今までに何度術を使ってきただろうか。現時点で、どのくらい生命が削られているのだろうか───。

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