表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
草案  作者: 禄星命
第2章
15/49

─第5話 それぞれの想い─

「とりあえず、キミの名前を教えてくれないかな?」

「はい。フレイアと申します」

名乗る彼女は深々と頭を下げる。

「フレイア。先述のとおり、私はキミとは共にいられない」

「...納得がいきません。サフィラス様は、何か目的があって旅をしているのでしょう?それが達成されるまででもいい。傍に居させていただけませんか?」

遠ざけようとするサフィラスに、フレイアは彼の裾を掴む。

「戦闘面でも役に立ってみせます。諜報だって、なんでもします。ですから、どうか...!」

「サフィラス、どうするの?」

リベラはフレイアとは反対側の裾をきゅっと掴んだ。

「...そうだね。もう敵意は感じられない。それに、断っても尾行されそうだからね」

「では...!」

「うん。よろしく頼むよ」

「ありがとうございます!」

サフィラスの言葉に、フレイアの顔は綻んだ。

「万事解決、と言いたいところだが。指名手配犯に変わりはない。監視役として俺も同行しよう」

その様子を見ていたアルディは、ため息をついて声を発した。

「...私より弱いクセに」

「何だと!?」

「そういえば、フレイアは何故指名手配されているんだい?」

「分かりません。私はただ、子供たちが飢えを凌げるよう賞金首を捕らえていただけです」

「俺は子供を攫う誘拐犯だと聞いているが」

ほら、と懐から取り出した貼り紙を見せる。そこにはフレイアの似顔絵と罪状が書かれていた。それを一目見た彼女は声を荒げる。

「そのような事はしていない!」

「では仮に、貴様の言うことが事実だとしよう。その子供達はどこにいる?懐いているのであれば、その証明になるはずだが」

「...子供達はイルミスに身を寄せているから、今すぐには見せられない。けれど、信じて欲しい。私は誘拐犯ではない」

暫しの沈黙が辺りを支配する。フレイアの瞳を見据え、やがてアルディは頷いた。

「...分かった。貴様のことを信じよう。だが、不審な動きがあれば即剣を向ける」

「ああ。好きにするがいい」

「矛は収められたようでなにより。思わぬ事態と仲間が増えたわけだけれど、二人は私達の旅の目的は知らないだろう?城へ行く前に、軽く話しておこう」

冷静さを取り戻した二人に、サフィラスは経緯を話し始めた。



──────────



「...という訳でね、私はルベールの王に追われている。その打開策を得るために、この国の王に謁見しようとしているんだ」

「なるほど。妙な姿だとは思ったが、そのような特殊能力があるのか」

髪、耳と上から下まで探るような視線を感じる。何度も味わってきたことだが、やはり慣れず目線を逸らす。

「そこで、最後にもう一度確認しておきたい。道中何があるかわからない。殺されるかもしれない。辛い場面に数多く遭遇するかもしれない。それでも、私達と共に来るかい?」

「はい。私は、最期までサフィラス様と共に」

「俺は騎士だからな、戦や汚い人間は腐るほど見てきた。自国には上手いこと話しておこう」

サフィラスの問いに、フレイアとアルディは変わらない意志を答えた。

「リベラとヴィオラは、二人が同行することに異論はないかい?」

「ええ。ないわ」

「...うん、私もないよ!この子も怖がってないから」

ポケットから顔を覗かせるハムスターは、すっかりくつろいだ様子で植物の種をかじっている。

「うん、ありがとう。───では、行こうか」

五人はそれぞれのわだかまりを抱えつつ、城へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ