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僕の片目は灰色  作者: 摩子猫
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僕の片目は灰色



僕はもうすっかり元の生活に戻った気がする。


パパもママも、僕がびょうきをした前と同じみたいになった。


セドともナメナメしてからのカミカミに戻った。


なぁんだ、びょうきって、びょうきじゃなくなる日が来るんだね。


でも最近、なんとなくママのようすがヘンなんだ。


僕、ゲンキになったんだよ!

ゲンキだからだいじょうぶ!


ママの近くにとことこ歩いてって、ママをじっと見る。


「なぁーに?」

って、ママは僕をナデナデしてくれる。


けど。


ある日、パパとママが話してた。


「放射線治療から何か月たったんだっけ。」

「やっぱり、リオの右目、だんだん白くなってきちゃってる気がするね・・・」


「それでも元気じゃん、まだまだこんなに元気ですよー!って、先生に言ってこようよ。」


「そうだね、そのうちね・・・」


僕は僕。

僕はリオ。


もうひとりはセドナ。


それが僕たちについた、お名前。


ちいちゃい時にパパとママのイエに来て、それからずっとカゾクになった。


途中、セドもにういんして、僕もびょういんに行ったけど、

それでも僕もセドもゲンキ。


ちいちゃい時みたいに、セドとふたりで転げまわって遊ぶことは、

あまりなくなっちゃったけど。


僕の目はママを見る。

僕の目はパパを見る。

僕の目はセドナを見る。

僕の目はまわりを見る。


いっこだけ変わったこと。


それは、りょうほうの目で見てるはずだったのが、

いつのまにかかたっぽの目でみるようになったこと。


僕のもうひとつの目は、だんだん灰色になっていく。


それでも、ゲンキなのにかわりはないから。


僕のかたっぽの目がぜんぶ灰色になったとしても、

僕は僕だから。


僕はリオ。


あの日あの時、パパとママのイエにやってきた。


僕の片目がぜんぶ灰色になる日が来ても、

僕のあたまのなかのけしきは、ちいちゃい時のままだから。


だいじょうぶだよ。


パパ、ママ、セド、僕だいじょうぶだよ!


ソラがあおいな。

とりさんも来てる。


じっとそれを僕は見てる。


かたほうの目でも、僕はしっかり見てるから。


だいじょうぶだからね!



初めまして、読んでくださってありがとうございます。


好意的なご意見も、否定的なご意見も持たれやすいですが、

それでも読んだぜえええええ!!!とひとこと、お願いいたします。

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