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僕の片目は灰色  作者: 摩子猫
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22/24

「覚えててね。」

それから僕の、シュウイッカイのタビがはじまった。


はんぶんは、パパがオシゴトで行けなくて、

ママがうんてんして、僕はじょしゅせき、ってとこにいた。


きゃりーのなかだけど。


僕はせんせいのチリョウが終わると、必ずハナのあたりから、

たらーってなにかが垂れてくるようになった。


それを見て、パパもママも、見るたびにふいてくれてた。


「まあ膿が出てるようなモンなのかな。」


あいかわらずダルイのも続いてた。


それなのに、シュウイッカイのタビは続いてる。


「さて、行ってくるねー!」


「はーい、気をつけろよー。」


パパが行けないときは、そうやって、ママとふたりでおでかけする。


お出かけする先が、楽しいところだったらいいのに。

そして、これも相変わらず、セドにはしゃーーー!ってされる。


「行こうか、リオ。」


ママが笑って、僕のきゃりーを入れるフクロをちょっとあけてくれて、

僕がいつでもママの顔を見られるようにしてくれる、いつも。


まるで大丈夫だからね、って言ってるみたいに。

うんてんしてる間にも、オンガクをカケテくれて、

僕を楽しくさせてくれるみたい。


あとはね、とちゅうでとまると、何かしら話しかけてくれる。


「リオー!」


「ヤだねぇー」


「ツラいよねぇー」


「お前はどうしたい?」


「このままつかなかったらいいねぇー」


僕はすかさずお返事してる。


それでもやっぱり、びょういんにはついちゃって。


シュウイッカイの、ママのよろしくお願いします、と。

シュウイッカイの、せんせいのお預かりしますと。

シュウイッカイの、マスイチュウシャで、

僕はイヤでも眠りに落ちる。



そして毎回、目を覚まして、ぼんやりした中で、

きゃりーのなかから、よく見えるママのにっこりしたかお。


うけつけのひとに呼ばれて、ママがナニカヤッテル。


「すいません、カードでお願いします。」


僕はぼんやりが続いたまま、ママがきゃりーごと、よいしょ、

って言いながら、よろよろとしたあしどりで、クルマにもどる。


ゴメンね、ママ。

僕、重いよね。

コメブクロフタツブン、だからね。


「さーて、帰ろう、リオ。」


にこにこ。

ママのかお。


また、来るときと同じみたいに、クルマに乗って、イエに帰る。


ただいまーってママが言ってから、きゃりーをあけると、

僕はイチモクサンに出るんだ。


そして、またまったりとしたまいにちが続く。

シュウイッカイのタビの日のほかは。


僕はね、ママのひざとか、ママのそばがだいすきなの。

いくらワルイコトして、こらー!ってシカラレテも、

やっぱりママだいすきなの。


ママがユカにぺたん、ってスワルと、いそいそと乗っちゃうんだ。

ここは僕の、僕だけのバショだから!

ムイシキにのどがごろごろぐるぐるしたって、

それもしようがないことなんだ、

だって僕はママがだいすきだから!


そしたらママはね、しようがないなぁ、なんていっときながら、

パパにこういわれてる。


「リオはママが大好きなんだなぁ。」

「ママもリオが大好きなんだなぁ。」



だから、ふとした時には、ママのことじっとみてるの。

ママはそのたび、にこにこしてくれるから。


でも、僕がチリョウをはじめてから、ママがフシギなことを言い出した。


「リオ。」


僕の目をじっとみて。


「覚えててね。」

って。


「覚えといてね。」

って。


それは、ジュモンみたいなヒビキの、新しいコトバ。


イミはわからないけれど。


そのコトバのヒビキと、ママのかおが、僕の中で重なった。




初めまして、読んでくださってありがとうございます。


好意的なご意見も、否定的なご意見も持たれやすいですが、

それでも読んだぜえええええ!!!とひとこと、お願いいたします。

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