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僕の片目は灰色  作者: 摩子猫
17/24

ダイガクビョウインの帰りに行ったとこ

「もしなにかありましたら、かかりつけ医でもいいですし、

こちらの病院でもいいですから、

 そしたらまたリオちゃんにとって良い方法を考えましょう。」




お大事に、のコトバを最後に、ママとパパはまた、


「お世話様でした。」


「ありがとうございました。」


って言いながら、アタマをひくくして、

半分まだ寝てる僕が入ったきゃりーを持って、

だいがくびょういんを出た。


来たときはまわりぜんぶがみえたのに、出るときはやっぱりクラカッタ。


ママとパパは、僕の入ったきゃりーをクルマのまんなかにおいて、

しめてから、ママがまたひとこと言った。


「じゃ、いこうか、実家。」


「え?実家?行くの?」


「うん、まだ今から行けば間に合うでしょ、れっつごー!」


ジッカ?

って、ドコだろう?


セドにはあえないの?


とろとろしながら、またユラレテユラレテがたんごとん。


しばらく車にゆられて、ようやくついた先は、また僕の知らないトコ!


ママがぴんぽん、おしたら、なかからふたりのにんげんが出てきたよ!

ダレ!?


「あれ?なんで来たの?」


ひとりがそういった。


「ん、リオとご対面させようと思って。」


ママはそのひとたちを、よーく知ってるみたいだった。


僕もね、なんとなくミタコトアル、ってちょっと思ってた。

それは、ぱそこん、っていうハコのなかから、時々、

「リオー!」

「リオちゃーん!」

って言って、手を振ってたひとたちだった。


ママは僕の入ったきゃりーを持って、そのひとたちのバショにハイッテク。


パパがそのあとを、こんばんは、って言いながらハイッテク。


ようやくきゃりーから出られた、と思ったら、そこは僕の知らないイエだった。


「はーい、これがリオでーす。」


きゃりーからだされた僕は、わからないとこだったから、

どうしよう、どうしよう、って、おろおろ。


「あらー!お前おっきいねえー!」


そういって、僕をナデナデしようとしてくるひと。

ナニコレ!

ナンカサレル!

こわい~~~!


「後ずさってるし・・・」

だってなんか僕のことわしゃわしゃしてくるよ!?


「でも優しい顔してるねえ~」

っていいながらわしゃわしゃ。


「おとうさん、おかあさん、あのね。

 実は今日、大学病院行ってきた。

 精密検査してもらった結果、やっぱり悪性腫瘍だった。」



そこまでダイガクビョウインのセンセイと同じことを言ってたママの目から、

すごくおおきなおみずがでてきた。


僕は、ただでさえしらないバショに来てびっくりしてたのに、

ママの目からおみずがでてきたから、またびっくりしちゃって。


そういえば、ママが僕のことを話す前、すごくつらそうな、

すごくかなしそうなかおしてたんだっけ、と思いながら。


しばらく、ママの目からおみずがとまらなくて。


そのうちとまったんだけど、僕がまだおろおろしてるのに気が付いたママは。


おめめがあかくなってたけど、にっこり笑って。


「帰ろうね。」

って。


言ったんだ。


かえろうね。

イイコトバ。

カエロウネ。


そういったママとパパは、オトウサンとオカアサンにサヨナラをして、

また僕と一緒にクルマに乗った。





初めまして、読んでくださってありがとうございます。


好意的なご意見も、否定的なご意見も持たれやすいですが、

それでも読んだぜえええええ!!!とひとこと、お願いいたします。

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