表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の片目は灰色  作者: 摩子猫
1/24

ぼくがぼくになった日

ぼくがぼくになった日




ぼくのうまれたのは、いつごろだったかな。


ぼくと、もうあとふたり、鳴いてた。


でもひとりは、だんだん弱弱しくなって。

そのうち鳴かなくなっちゃった。


もうひとりと、ぼくとで。

鳴いてたんだ。


そしたらね。


「この2匹なんですけど・・・。」


「両方いただいてもよろしいですか?」


って。

声がして。


ぼくらのからだは、何かに包まれて。

そらをふよふよしてから、やさあしく、そっとどこかに置かれて。


しばらくガタゴトいってたけど、急に止まって、またおそらをふよふよ。


今度は違うばしょにきたみたい。

においがちがう。


そこでそっとおろされて、じじじっとおとがして、なにかがぼくたちをみたんだ。


「ここがお前たちのおうちだよ、これからよろしくね。」


「チャック開けとくから、ここにいてもいいし、探検してもいいよ!」


って。

声がした。

やさしい、あったかい、まあるい声。

ここちいい声。


ぼくはその声が、この先「まま」になるなんて、まだしらなかった。


ぼくともうひとりはといえば、

こんなよくわからないところに連れてこられちゃったもんだから、

ちょっとこまってた。


「どうしようか?」

「どうしようね?」


もうひとりは、ちょっとだけ甲高い声だった。


ぼくたちはあたりをきょろきょろとみる。

あそこにおいしそうなものがある!

こっちのざらざらはいったいなんだろう?


いろいろ考えたんだけど、それよりもぼくたちはまだここがどこだかもわからなくて、

しようがなくて、ふたりでばってんになってうとうとし始めた。


うとうとしてたら、ただいまーってこえがした。

あったかい声のひとは、おろおろもじもじしてるみたい。

なんだろう?


「おかえりー、あのね」


もじもじして、ただいまって言ってたひとをおそるおそる見てる。


「ごめんなさい・・・」


って言ってから、ぼくたちふたりを包んで。


「ふたりいただいてきちゃって・・・」

って。


「ホントはね、3匹いたの。

でも、1匹だけ虹の橋渡ってっちゃって・・・

どちらの子でもいいですから、って言われたとき、ひとりだけってできなくて。

だってひとり残っちゃったら、その子どうするんだろうって思って、それで」


そしたらただいまの声のひとはね、ぼくたちをみて、くしゃっと笑って、

「まあそんな気がしてたけどね」

って、ニコッと笑っていったんだ。


そのひとが「ぱぱ」だってことに気付いたのも、あとになってからだった。


ぼくと「いもうと」は、ここの家の子になったんだ、って気付いたのも、あとになってからだった。





初めまして、読んでくださってありがとうございます。


好意的なご意見も、否定的なご意見も持たれやすいですが、

それでも読んだぜえええええ!!!とひとこと、お願いいたします。


コメントくださる皆様、ありがとうございます、ありがとうございます!!!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ