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因果応報

作者: ypn

人は残酷だ。多分、どんな生き物より。



俺は佐藤、イジメっ子だった。

イジメっ子になったのは中3の時から。何か理由があっていじめっ子になったわけじゃない、強いて挙げるなら周囲の空気。 中学校や高校では、何人かでグループを作り、学校生活を送る。集団生活の中で孤立しないために。 オタクが集まったグループ。真面目な奴らが集まったグループ。ヤンキーが集まるグループ。

こういったグループは自然に形成される。似た者同士が集まって。グループに入らず独りでいる奴の事を

「ぼっち」なんて言ったりする。俺がいじめっ子になったのは、ヤンキーグループに入ったから。

真面目な学校生活を送ってたわけじゃない、かといって素行不良だったかといえばそうではない。

気が合う友達とまあまあの生活を送っていた。 グループに入るまでは。


グループに入ったのにも特に理由はない。中3のクラス替えで、俺はヤンキーグループのリーダー格の一人と同じクラスになった。そいつは校内でも悪名高いワル。でも喋ってみると案外いい奴。正直驚いた。

話も合うし、面白い。 そんな風にしてるうちにズルズルとグループに入っていった。

イジメが始まったのはそれから。 リーダーがぼっちの奴に目をつけた。最初のうちはからかう程度だった。

でも、そのうち物を隠したり、肉体的な攻撃をしたり、SNSで暴言吐いたり。イジメはエスカレートしていった。イジメられっ子は「やめろ」とは言わなかった。いや言えなかったんだろう。イジメられっ子は結局転校した。それからは卒業までイジメが起こることはなかった。


俺はイジメてたのか?....直接手は出してなかった。

どんな時も見てるだけ、「傍観」だ。手は出さなかった、しかし、「やめろよ」とも言えなかった。

たった一言なのに。言えば孤立する、そう思ったから。


それから地元の高校に進学。またグループに入った、ヤンキーグループ。

中学でも高校でも、結局周りに流されっぱなし。

高校ではグループの中で少し上の立場になった。理由はわからない。でも中学の時より素行は悪くなっていた。タバコを吸ったり、酒を飲んだり。リーダー格と一緒にイジメに直接加担したり。

放課後は毎日遊んだ。そんな毎日を送ってた。

1年の2学期のある日。グループのリーダー格達は逮捕された。殺人未遂で。

他校のグループとの喧嘩でやりすぎた。とのことだった。


俺の立場はそれから変わった。


リーダー格達が捕まってから、担任、クラスメイト。みんな俺を見る目が変わった。

みんな俺がイジメっ子であることは知っていた。リーダー格達が捕まってからイジメは止めた。

でも遅すぎた。


朝、クラスメイトの一人に挨拶をした、が、無視。

他のクラスメイトも同じ。担任も。グループの奴らも。

なんで? 初めはそう思った。でもすぐに気付いた。

今までの行いが返って来たのだと。

それは毎日続いた。俺はもちろん孤立した。


無視が始まり数日、ある言葉が目に入った。

「因果応報」

意味を見て気付いた。 「今の俺にピッタリだ」


それからは他の高校に転校し、静かに学校生活を送っている。




お見苦しい作品を読んで頂きありがとうございました。

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