ただのクラスメイトからの昇格と彼
今こいつは何と言ったのか。
お友達からお願いします…って…
ちょっと待て、それじゃあなんか…その…いやいや、考えるのはやめよう。梅田はイケメンだけでなく、冗談も言えるらしい。
俺がなんとも微妙な表情を浮かべていると梅田は一瞬の間を置いてからボボボッと効果音が付きそうなくらい真っ赤になって、ようやく手が離れた。
な、なんだよその反応…まじで、俺が一瞬考えたような意味、なのか…?
そんな反応をする梅田につられて、俺も頬が赤くなる。
「いや、あの!今のは、違うんだ!その、その…友達になってほしいなーって!」
「あ、そ、そうだよな!?」
梅田も誤解を受けていてはさぞ不名誉だろう。だって今の言い方じゃあなんだか告白、みたいな…そんな感じ、だったもんな。
正直俺にその気はないからな。まあ、偏見はないつもりだけど。
でもこれだけ綺麗な顔してるんだから、男にももしかしたらもてるんじゃないんだろうか…なんて思いながら、俺は梅田の顔をぼーっと見つめていた。それに梅田がドキマギしていることなど知らずに。
「あ、あの、」
「へ? あ、ああー!いいよ!ぜひ友達になってください」
「まじで!?やったー!」
なんだか気恥ずかしくて、俺はまともに梅田の顔を見れなかったけど、どうやら彼が喜んでいるらしいことは分かった。
「じゃあ、友達だから…昼飯一緒に、食べない?」
「え、いいけど」
「よっしゃ!」
そうガッツポーズをする梅田がなんだか微笑ましくて、俺は自然と笑っていた。なんだ、結構可愛いんだな、とか思ったり。男掴まえて可愛い、とは失礼かもしれないが、そう思っても不思議ではない雰囲気を梅田は醸し出していた。
やがて教室にはクラスメイトが増えてきても、俺たちはたわいもない話を続けていた。
だが俺はあっさりと昼飯を一緒に食べることを了承してしまったことに、後悔することになるのだった。