駄菓子屋さん解説コーナー【真ん中ポキッて折るアイス】
【真ん中ポキッと折るアイス】
琴音「はい、今回はあの常温のまま飲んで良し!冷蔵庫で冷やして飲んで良し!冷凍庫で凍らせてアイスにして良し!ちょっと溶かしてシャーベットにして良し、次世代ハイブリッドアイス、真ん中ポキッと折るアイスの紹介です!!」
翼「長い長い…、なんでまたそんなテンション高いの?」
琴音「本編で出番が無かったので…、それくらいはさせてもらいますー」
翼「その点主人公ってすげぇよな、最後まででずっぱりだもん」
翠「何を言ってるのかさっぱりですが…」
翼「つーか、なんで西園寺まで居るんだ?」
翠「えと…、少し気になる事があったので」
翼「気になる事?」
翠「はい、結局私、あのアイスの名前を知らないんですが」
翼「あー、そういや最後まで出てこなかったな、つーか琴音、今回のテーマ何?解説者のお前が真ん中ポキッと折るアイスなんて言い出したらイカンだろ、商品名を言え、商品名を」
琴音「はい店長、それこそが今回のテーマとも言えるのですよ」
翠「どういう事ですか?」
琴音「この高性能で誰もが一度は食べた事があるだろうこのアイスですが…、正式な商品名は存在してません」
翼「…は?冗談だろ、俺がガキの頃からあるぞ、このアイス」
琴音「それが冗談でもなんでもないんですよ、理由はちゃんとありますが実はこのアイス、元々の製造元である会社はもう製造中止しちゃったんです」
翠「?、おかしな事を言うのですね、それじゃあ今ここにあるこのアイスはなんなのです?」
琴音「そう、そこが面白い所で元々の製造元が製造を中止した後、他の会社から様々な類似品が販売されたのですがその全ての商品名がバラバラなのです」
翼「え?それじゃあ皆、これをなんて呼んでるんだ?やっぱり真ん中ポキッと折るアイスか?」
翠「いちいち呼ぶにしては長い名称ですね…」
琴音「どうやら地域によって呼び名が変わってたりするみたいですよ、ちょっと調べてみると」
・棒ジュース
・棒アイス
・ポッキンアイス
・貧乏アイス
・チューチュー
・チューチューアイス
・ポキニコ
・かき氷バー
琴音「等々調べれば調べるほど、様々な名前が出てきます、ここにあるのもほんの一例ですね、地域によって呼び名が変わるのでこのアイスの呼び方で出身地なんかもわかるかもしれません」
翼「まさか…、こんなに奥の深いアイスだったとは」
琴音「類似品が色々なメーカーから出ましたがそのぶん、味の種類も豊富です、オーソドックスなフルーツ類からソーダー、ブルーハワイ等々」
翠「ジュースでもアイスでもいけて味の種類も豊富…、これだけ聞くと本当にすごいアイスですね」
翼「あぁ、味変えて一日三食はこれでいけそうだな」
翠「えっ?いや、さすがにそれは…」
琴音「そうですね、アイス、ジュースと食べ方を変えれば楽しみも二倍ですし、二つに折るので半分こもできますし」
翠「あれ?私がおかしいんですかね…、これ?」
琴音「半分こといえば棒のついてる部分をどっちが取るかで兄弟でケンカ…、なんてのもあるあるですね」
翠「あのついてる棒はジュースで飲むとき用なのでしょう?そこまで違いがあるとはおもえませんが」
琴音「ふっふっふ♪翠ちゃん、実はあの棒、アイスでも普通に使いますよ」
翠「?、アイスは真ん中を折るから真ん中から食べてくでしょう」
琴音「はい、実はその食べ方なんですが…、メーカー側が推奨したものじゃ無いんですよ、間違った食べ方ですね」
翼「え、そうなの?いつも真ん中ポキッてやってんだけど」
琴音「その食べ方は最初、一部の消費者がやっていた事なんですがそれが全国的に広まってしまった…、という訳です」
翼「は~、なんか本当に奥が深いんだな、このアイス」
翠「あの…、少しよろしいですか?」
琴音「はい?」
翠「いえ、真ん中ポキッと折るのが間違ってるのなら…、この解説コーナーのタイトルはおかしいと思うのですが」
琴音「………」
翼「………」
翠「………」
琴音「一部の人達がやった食べ方が全国的に広まってポピュラーなものになる、自由な発想で食べられるのがこういったアイスの醍醐味ですね、では皆様、また!!」
翼「あ、逃げた…」