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王の部屋

  ケインの口から事情を聞いたムファド王は、すぐカシミールを呼び寄せた。そばには漸く歩けるようになったジャスミンが控えている。


  「お呼びでございますか。」

「うむ。今、ケインから教授とジュディーの件を聞いた。ヤコブとテリーの悪巧みのせいで他の2人の命が消えてしまった。やはりヤコブの処罰を再考した方が良いかもしれぬ。良いか?」

次期王と自ら認め内々で発表したためか、王はケインに同意を求めた。元より状況が変わって新たに犠牲者が増えたとあってはさすがのケインも王の決定に異存があるはずはなかった。同意を表すように頷く。

「断罪にすべきところなれど、これ以上この件で血が流されるのは耐えられぬ。よってヤコブをこの地から永久追放とする。無論財産を全て没収の上でじゃ。・・・・・良いか?ケイン。」

「陛下のご随意に。」

「決定!カシミール。すぐこの決定をヤコブに伝えよ!その上で即刻あ奴を追放するのじゃ!」

「御意!」


  「これで良かったのかの。」

カシミールが出て行くと王は呟いた。それに呼応するかのようにケインも独り言のように呟いた。

「僕も密かに国外追放を、と考えていました。陛下がああ仰ったので内心ホッとしたところです。確かにこれ以上人が死ぬ事は避けるべきです。教授の亡骸は手厚く葬ってあげましょう。」

その2人の姿を後ろから見ていたジャスミンは、離れて幾年いくとせ時を過ごしても尚、彼等の間に深い血の繋がりがあるのを感じ取っていた。

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