第一話
プロローグ
いい加減もう飽き飽きした通学路を全力で走る私。通りすがる園児達の珍獣を見るかのような筆舌し難い眼差しを、一身に受けながら精神を加速させる。だが身体は加速はしない。これだから体重は。私は四月にしては、なかなか、生暖かい陽気の中を走っていた。なぜなら遅刻しそうだからだ。そう、私は中だるみの高校二年生。気仙沼生まれHIPHOP育ちの私は、徒歩たった五分の通学を怠慢し、急ぎ足で我が人生を駆け抜けていた。だってしょうがねえだろカップ麺一個しかつくれねえしよ。そんな諸々を経て学校へ着く。教室の中は人の熱気でぬくもりをもっていた。おっぱい触りてえなぁなどという男として当然の義務感に陶酔しながらも憂鬱な学校生活に嫌気が差していた私は実際に女の子をほのぼのレイプ(おっぱい揉むだけ)したいなどと血迷ったことを考えていた。そう、この哀れな語り部はと今後起こるであろう波乱万丈の学園生活など知る由もなかったのだ。
私
私の放課後は吹奏楽部へと費やされた。SAXとSEXが似ているからなどという男としてごく当然の感情から彼は吹奏楽部に入部したのだが、一向にに鳴らないサックスは一向に彼女のできない我が人生を揶揄しているかのようで非常に不快であった。この印象は私がこの部活からおさらばする未来を示していた。あくる日のことであった。私はクラスのホームルームという至極くだらない行事に人生の何分の一が使われているのかという、哲学的命題に取り組んでいた際、思わぬ闖入者が私の、私のノーベル文学賞への未来を絶った。戦艦大和のバルバスバウのように飛び出た顎が特徴の教師はこう言い放った。今日からみんなの新しい仲間になる横山ワイドロングです皆さん仲良くしてくださいね。私は慄然とした。まるでその前衛芸術かのような外見と古代ローマ時代の彫刻かのような存在感にただ立ち尽くすしかなかった。