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【ご】そうだ、町に行こう!2/2

どもども、麦茶です(´・ω・`)

なんと、今日見たらお気に入り登録件数が11件になっておりまして、へへ。嬉しや、嬉しや。天に昇れそうでございます。ハイ。

コホン。お気に入り登録して下さった皆さまありがとうございます。

――へ?

何故こちらにやって来るし……。一緒に話していた女も怪訝な顔しているよ?

いや、まぁね。その女より私を選んでくれた事は無茶苦茶、嬉しい事なのですが。


「ご主人様? どうなさったのですか?」


私が尋ねても……無言。

え?私、何か地雷踏んじまいましたか?とか何とか想定できる全ての原因を探ってみました所……あぁ、


「ご主人様の所有物を傷付けてしまい申し訳ありません」


私はご主人様の所有物。

勝手に傷付ける事もご主人様のカンに障るのだろう。

ハゲるぞ、神経質は。


………。……?

あ、れ?

きっちり90度曲がってますよね?私の腰!

なのに何故、反応がない!

カツン、カツン。と言う静かな足音だけが賑やかな筈の町に響き渡る。


――魔王君臨。


その場にいた誰もが自分のHPメーターが赤くなるのを感じていた。


「お前……」


魔王様は日本語で私に話しかけている。ということは、魔王様が術を掛けなければ誰にもこの会話は分からない。


待つこと数分。


「………え?」


いや、なぁに?これ、なぁに?どーゆう展開!?

変なフラグたってね!?

我等が魔王様は、何と……私の血が滴る細っこい腕をとり……そこまでは想定内←(なんとか

……だがしかし!

我等が魔王様は――舐めた。

何を→腕を。

誰の→主人公の。

どこで→町で。

どうして→あい どんと のー。


……ざわ……ざわ……。

皆の視線が氷の矢の様に突き刺さる。

その間も、リュンヌ様は私の腕の血を舐める。

冷たくて、くすぐったい。

頭が火照って何も考えられない。日だまりの様な気持ち良さに身を任せていると、突如、痛みが襲った。


「……っ…」


見るとリュンヌ様は、傷口を舌で持って広げていた。

ええ。普通のオトナはそんなこと致しません。断じて致しません!しかし相手は我等が魔王。普通のオトナの様な真似をするとは思いません。


「あう……っ」


私が痛みに見を引くとガシリと腕を捕まれました。

痛みに耐えること数分。

だんだんと気持ち良くなってきた訳ではありませんが(本当ですよ?)、諦めて目をつぶっていました。もちろん大衆の皆さんの目の前で。誰もリュンヌ様の行動に目が離せなかったのです。


暫くすると痛みが引いてきました。そっ、と目を開けると驚くほど目の前に深紅の瞳がありました。目を見開く私の前髪を長くしなやかな指で梳くと、


「これは……お返し、だ」


と涼やかな声でおっしゃられたのでございます。

ああ、まだ根に持っていらしたの?王子に怒られ、私ごときに謝罪してしまったこと。

ハゲるぞ。根に持つ奴は。

と、愚痴を言いたかったのだが……、その時のリュンヌ様の顔や仕草が余りにも優しくて、綺麗で、儚げで、泣きそうで……。

つい、


「はい……ごめんなさい」


と、言ってしまったことが私の敗因。

口で負けたことない私が負けてしまうとは!恐るべき美形。

でも、なんだったのでしょう?

あの顔、あの眼差し。魔王様から考えられない甘い顔をしていて。

あの顔で見つめられたら世界中の女ども(男、その他 生命体)が堕ちるだろうと思います。いや、そんなことしなくても堕ちてくれるだろうけど。

私が、謝るとふわりと笑ってちゅ、と腕に吸いついて腕を離してくださいましたが、下から伺い見たその顔に甘さなんて欠片も残ってなかったのですけど……。


「行くぞ」


そう言ったリュンヌ様は、少し、ほんの少しだけど……嬉しそうだったので。

この4日間一緒に居て、いつもその深紅の目には倦怠と諦めにも似た気持ちがうずまいているように見えたから。

それが……ちょっとでも私をイジメルことで取り払われたなら少し、とっても不本意だけどいいなって思ってしまったということです。


これが、私の町デビューでした。


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