【よんじゅういち】ボクのものは、君のじゃない
寒いね、おかーさん
なんてことだ。
彼女が、消えてしまった。
どうして……あのこが。
清純で清らかで、美しくて、可愛くて、強くて。
まるで、皆のほおっておけない妹のようだった■■が。
あの魔女の所為で――!
アイツがいなければ。
ボクたちの可愛いい彼女は。
帰ってきて―――…。
† † †
「……ぅん、朝かよ」
おはようございます。
今村 瑠璃 16歳でございます。
さて昨日は零に会いましたが、大した情報は得られませんでした。
質問してないから、当たり前ですが。
零れる光で目が覚めた。
ここはどこだと思って、魔王さまのお部屋のべっどるーむだという事を思い出す。
モノクロ。
隣に体温はない。いつものことでありますゆえ……瑠璃さんはまったく悲しくない。ええ悲しくなんてない。
暫く、豪奢なベッドの上でまどろんでいることにした。
時々、鳴く鳥の声がいやに眩しく耳に響いた。
「起きたか……」
いつもと違うのは――、
「ぽぽぽぽーんんん!」
びっくりしましたよ。
尋常じゃない驚きかたしちゃった★
モノクロの世界の闇から現れたのは、わたしが会いたくて仕方なかった、ひと。
「ア、ル」
心なしか声も奮えてる気がする。
てゆうか、ひゅーひゅーって喉から空気が漏れる。
あ、肺が……。
久しぶりに間近でみた、その端麗なお顔はいくらかやつれて見えました。
「鳴くな、瑠璃」
あ、ぁれぇ?
漢字が違う、いやニュアンスが違う。
てゆうか。
あたし、泣いてた?
あら、雪だわ(前書きと噛み合わない会話