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【にじゅうさん】†涙草は無様に暗殺を企てる†

評価などなど、有難う御座いマス。

麦茶の原動力ですw


R⑫表現あり。

「なっ………っ!」


ああ、最近の貴方はとてもいろいろな表情をしていますね。


「では……!!」


私は一度、部屋に帰ってリリス様を吐かせる計画を練ろうと退室しようとした。

なのに、なのにぃぃ………。


なんでベッドに引きずり込まれているんでしょう。

説明をお願いします。えぇ、切実に。


「ア、ル様…?」


しかも何故、アル様は私を全身全霊で抱きしめているのでしょうか?

額に掛かる不思議な色の髪。見た目は堅そうだけれどサラリと揺れるソレは、とてもくすぐったい。薄い色の唇は、楽しそうに上がっている。


「いいだろう……?」


このくらい。と呟いて……。

どちらからか分からないけれど……私達はキスを交わした。

最初は優しいただ触れれば、離れていくようなもの。だけど触れられた唇は溶けるように熱い。


「んっ…………!」


だけどいきなり食らいつくようにキスされた。

驚いてついあげた声は私の声じゃないかのようで。


恥ずかしい。


羞恥心が心を覆う。そんなこと気にしないかのように、アル様は冷たい手で私の髪を透いた。


余裕だな……。


私は酸欠になりながらも目を開けた。いきなり近くワインレッドの火山みたいな瞳が見えた。なんで目ぇ開けてキスしてんの、私達……。

綺麗な深紅は焦がれるように私を見詰めていた。


あ、酸素が――…。


そう思った時、無意識に空気を求めて開けた口になにかが侵入してくる。


「んぁ――ゃっ」


生理的に目に涙が浮かぶ。

でもアル様は、その舌で私の口内を掻き回し、掻き混ぜてくる。私の口からは絶えず信じられないほど甘い声が漏れる。

それに満足するかのようにアル様は瞳を細める。


そして――やっと終わった。


アル様は余裕のよっちゃんで猫みたいに私の唇の端を舐めた。やけに官能的――。

息が切れて酸欠な私はそんなアル様の行動に慌てて身を起こした。


「甘い……」


ぽつりと呟かれた声に私は、きっと沸騰寸前の顔をしていたと自分で思う。

なんでそんな恥ずかしい台詞を言えますね……魔王様。


「余裕ですね……」


とジトーっと厭味を言うと、涼しい顔で、


「当然だろう」


と言われました。

ハイ、貴方は如何なることもしてしまう天才ですよ。


「むー、」


私が唸っていると、ふっと笑って、


「私の愛しい人。もう離しはしない」


そんな殺し文句を耳元で囁いて、


「姫に呼ばれてるぞ、瑠璃」


そう言い残しすと着替えにいってしまった。

うわー。放置プレイ……。


「リリス様が……」


いまは邪魔しないで欲しい。

リリス様よ。

上機嫌で部屋に戻り、身嗜みを整える。

呼ばれているのは私だけ……?なら早くいって、早くもどってこよう。



でもその為には手早く潰さないと。



† † †



「瑠璃です」


短くそう言ってから部屋のドアをノックする。

ここは姫の私的な部屋らしい。それでも守るように騎手さん、侍女さんが立ち、身体検査からなにまでリリス様にとっての危険因子と見做された者は、通されないのだとか……。

なんというダンジョン!!


「入って」


鈴が揺れたような声。


「失礼します」


お辞儀をして前を見据える。

陽の光を反射して輝く絹のような髪を、ゆるい三つ編みにして微笑んでいる女性がいた。

彼女こそ今回の黒幕。リリス・ほにゃらら・クロウ様である。

この国では名前はあまり意味を持たないので……リリス・クロウだけ覚えておけばいいのじゃないですか?と勝手解釈。

大体嫌いな人の名前を覚えてるわけないじゃないですか~ははは。


さて、今の私は無敵です。

何故か?アル様の愛を得たからです!


ということでNightに捨てられたQueenなんて敵じゃないのです。


「どの様な御用でしょうか?」

「思い上がらないで……平民上がりが」


は?

一瞬時が止まった。

リリス様の美しいお顔を凝視すると、そこには私に対する憎しみが有り有りと浮かんでいた。


「申し訳ございません」


瞬時に謝ると、一瞬彼女の顔が歪んだ。

それから、いつもの穏やかな顔からは想像も出来ないほどの毒々しい笑みを浮かべた。


(うわぁ……怖ーい)


「アルにちょっと優しくされてるからって思い上がらないで?」

「心得ております」


瑠璃は人の真似が上手いだけに、どうすれば相手を煽れるか熟知している。

こういう貴族社会の場合、何かを一介の弟子に過ぎない私にしてもリリス様が咎められることはない。


「リリス様……リヒト様が心配されておりました。どうぞご自愛ください」


案の定、彼女は顔を真っ赤にして、


「うるさいわっ……今日はお話があって呼んだのよ」


起こったあとに取り繕うように、にっこりと笑ってソファに座らせる。

紅茶が用意されており、口に含むととても熱い。

火傷しそうなほど、と言えば分かって頂けます?

危うく声を上げそうになりました。


(悪女っぷりには目を見張りますよ、ええ本当に……)


半ば呆れたような視線を感じ取ったのか、リリス様は哂う。


(馬鹿にされたぁ……)


「あなたを呼んだのは他でもないんです……お願いっ、私からアルを取らないで?」


懇願するようにテーブルの向こうから見詰められても何も感じない。

心は逆に冷静になっていく。

何が取らないで?だ。今まで散々縛り付けていたくせに……!


「……リヒト様は?」


私が困った顔で聞くと、ハッとした顔になり慌てて。


「でも…アルは…そう、幼なじみみたいなもので……」

「幼なじみだからって…恋仲ではないのなら」

「平民が口をだすことは許されません!と・に・か・く!わかりましたね?」


完璧に納得させたという自慢気な表情をしている姫様は私の次の一言で固まった。


「へぇ……リヒト様が浮気を疑ってたのはやはりリリス様がアル様を好いているからなのですね?」


あの時の彼女は実に面白かった。

ぴきりと、固まったまま、


「ち、ちが…!「りヒト様はお元気ですか?」

「へ?」


いきなり話題転換されて戸惑わない人ではないと思う。


「いえ、リヒト様って数年前、暗殺されかけたことがあるでしょう?近頃会っていないので……毒でも盛られたかと………」

「なんでっ……!知って「冗談です」


にっこり笑っていう。

鎌かけただけで……こんなになるか?

ありえなー。


「あっ………!」

「それで、私調べたんですよ……暗殺しようとしていた貴族のお・名・前」


びくりと分かりやすく肩が跳ねる。

あーあー、今までの余裕はどこへやら~。


「クロードリュベン家って言うらしいですよ? サイテーですよね……リヒト様いい人なのに……」

「やめてっ……!」

「何故?」

「何をしたいの!?」

「リヒト様を殺したいのですよね?」


率直に聞く。


「っ…そ、そうよ…なによ、悪い!?」


をいをい。

お前…緊張感なさすぎだろ。

私がチクったらどうする気だよ?


「私が殺してあげましょう」

「……本当?」

「ええ。代償は貴方。」


こんなのに引っかかる人っているのだろうか?

居ないでしょう?ていうか……と、私は首についているペンダントを見やる。

これには録音魔法とでもいうべきものである魔法がかけられている……らしい。

先ほど言った「っ…そ、そうよ…なによ、悪い!?」が物的証拠になる。

でも私の目的はアル様の前から消すこと。







「死ぬってこと?」


たっぷり考えましたね?


「まぁ、そうなりますね」


私が王子を殺せるとでも思っているのかな?

おバカちゃん。


「っ……い、や……!」


おやおや。死ぬのが怖くなりましたか。


「そうですか……契約不成立っと」


ま、リヒト様にこれ見せれば死ぬか、僻地に島流し位にはなってくれるでしょう。

なら、いいか……。


「この事は他言無用……あ、契約する気になったらいつでも来て下さい? 大歓迎です」


にこりと嗤う。

ああ、馬鹿ちゃんだなあー。

所詮…復讐だものね。


「失礼しました」


唖然としたリリス様を、残して立ち去る。


序盤からスミマセン(;゜д゜)ァ…

リリス様が阿呆すぎな件は置いといて……まぁ、一応貴族の箱入り娘でしたし?



お許し下さいぃぃぃ( ;゜Д゜)y─┛~~

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