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魅惑の幼き魔女 西田宏美編(6)

「Xさんは人格者のイメージがありますが、昔は女性関係で失敗したことで有名でした。西田宏美さんのほかに○○さんにも手を出していたんですよ。ストーカーみたいなことをしていたようでして、相談されたこともあります。そして体の関係に無理矢理持ち込んだところで、急に熱が冷めてしまったのか連絡を取らなくなったと。○○さんはその件がきっかけで不調に陥りました。でも1年くらいで元に戻ったようですが。女性であれど、棋士は強い生き物なんです」

後日、H氏から聞き出すことができたエピソードである。○○とは女流棋士の名前で、これも書くことはできない。まったく、とんでもないところに手を出したものだと改めて恐れおののいた。

「そういうことをされると、こっちとしても苦労するわけですよ。共演NGなわけですからね。Xさんと組ませたらいけないって女流棋士の間で噂が広がって、ある地方の大盤解説会では聞き手を若手棋士に頼んだこともあったほどです。でもいまは落ち着いたようでうすね。NGリストも自然消滅していました」

Xの評判は連合職員から見るとすこぶる悪かったようである。出るわ出るわ悪口が。しかしそれで溜飲が下がるわけではない。私からすれば仕事放棄も甚だしく、後悔の念を持ち続けながら延々と愚痴を聞いていたのだった。後日、Xに再度会えないかと打診をしたところ、仕事が詰まっているとのことで流れてしまい、ほとほと自分に呆れてしまった。

こうなればと思い、被害者である棋士に打診をしてみた。当時は深い傷を負ったとはいえ、もう20年以上も経った出来事だ。しかし今この原稿を書いているうちに思ったのは、あまりにも非人道的な取材だったということ。というのもXとは違ってストレートに西田宏美について聞きたいと申し込んでしまったのである。半ば自暴自棄になっていたのかもしれない。だが驚くことに二つ返事で成立した。やはり何でも物は試しで突き進むのが得策ということか。ここでは「Y」とさせていただく。もちろんイニシャルの頭文字ではない。

取材場所は都内の会議スペースの一角。当人はファミレスでもいいと言っていたが、さすがに内容が内容なので密室かつ防音でなくてはならない。

「なぜ捕まっていないのか、ですよ。私はXを一生許しません。もちろんお金はたんまりともらいましたけど、それで心の傷が癒えたわけではないですから」

思いのほかYはよくぞ聞いてくれたという態度だった。完全に闇に葬られた事件だったようで、私以外に取材を申し込んだ媒体はなかったという。もっとも、連合職員がストップをかけていた可能性は否めないのだが。


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