32話 神々の宴2
「……この酒美味くね?」
「せやな〜、私もこんなん飲みたいわ〜」
「クッソ、泊莉だけこんなん毎日飲んでるだなんてずりぃよ」
すると鬼羅の影の形が変わり、影から何かが出てきた。
「わっ!!」
「うおっ!?」
驚いた拍子に手に持っていたお酒をこぼしてしまった。
「あっ!おいユラ、イタズラはやめろっつってんだろ!」
「あちゃー、ごめんごめん。こりゃまたセナに怒られちゃうな」
《黎》ユラ
好きな物︰イタズラ
「何をしているのですか。お酒がこぼれているでしょう?」
気づけばメイド服を着た女性がすぐそこまで来ていた。
「うおっ!おっま……そろってビビらせんな」
「わたくしは普通にここに来て普通に聞いただけです」
《皓》セナ
好きな物︰綺麗なもの
「お前の普通は普通じゃねえんだよ。クッソ、わざと気配消しやがって」
「気配を消すのは特訓にもなります。そちらこそ魔力を全て出して、汚いとは思わないのですか?……ユラ、汚いです。さっさと拭いてください」
そう言ってユラに冷たい視線を向ける。
ユラはそんなセナに恐れ、ひっと声を出す。
「ご、ごめん……今拭くよ……ってもういないし。どれだけ気まぐれなんだか」
「あの方は元々ああいう方ですからね。手伝いますよ」
「か、神威〜!ありがとう〜!」
そう言ってユラは神威に抱きつく。
「ふふっ、可愛い……」
《紫》神威
好きな物︰刀
「えっと……あ、あったあった。はい、雑巾」
「ありがとう!」
「甘やかしすぎなんじゃない?」
雑巾で床を拭いている神威とユラにお世辞を一言。
「えっ……そんなことないと思うけど……というかルエルが厳しすぎるんじゃないの?」
「私は叩いて伸ばすタイプだから。生半可な神威とは違うの」
《泉》ルエル
好きな物︰花
「喧嘩はおよし下さい。汚いです」
そう言って神威とルエルに消毒をかける。
「ひゃっ」
「うぎゃっ」
「お前、やっぱ変わんねえな。まぁ俺らも1000年近く生きてるけどな」
「私をそんな爺さんと一緒にしないでくれる?こちとらまだ生まれてから700年よ」
その瞬間、鬼羅の堪忍袋の緒が切れた。
「だーれが爺さんだ、まだ生まれてから700年程度の天貴がよお。こっちは地獄を統べる鬼神だっつうの」
「はぁ?それはもう爺さん以外の何物でもないじゃない。白黒つける?」
「いいぜ、やってやんよ」
「だから、汚いと仰っているでしょう」
「「セナは黙ってて!(黙ってろ!)」」
「むぅ……」
セナは一喝されて頬を膨らませる。
その後、ルエルと鬼羅は泊莉にしばらく説教されましたとさ。




