10話 [カビ]
「平和だね〜」
「だな〜」
最近は特にこれといった事は無かった。
今はルカと一緒にホットケーキを食べている。
ちなみにルカリクエスト。
「……ん。やっぱりあそこのメープルシロップ美味しいよね」
「な。甘すぎなくて丁度いい、ルナのホットケーキが美味いってのもあるけどな」
「えへへ〜。ありがと!」
雑談をしながらもう一口ホットケーキを頬張る。
……うん、我ながら上出来。
これならレストラン開ける日も近いかも〜なんて。
ドタドタと大きな足音が聞こえる。
「ん?」
音が気になり、扉の方を見る、するとクラが勢いよくドアを開ける。
「ひゃっ……!ど、どうしたの?」
「大変です!ライムが!」
「え!?どこにいるの!?」
「こっちです!」
__________
「ライム!」
「きゅ〜、あるじ〜」
部屋にはベッドに横たわっているライムがいた。
片方の耳が黒くなっている。
「……なにこれ?」
「[カビ]です。一部の動物達に出てくる不思議な物質です、悪い影響をもたらす事は分かっています。一部の人達にしか治せません。………あ!ルナさんなら治せるんじゃ……!?」
「いや、わたしに治せるわけ……ん?」
そういえば昔、関連したもふスキをゲットしたような……?
『もふスキその⑩ [カビ]を浄化できるもふクリーニング(大)を獲得しました』
「あ!そうだ!わたし出来るじゃん!」
「あるじ、できるの〜?」
「うん!ちょっとじっとしてて」
ルナは手からほわぁとした白い光を出す。
その光をライムが浴びた瞬間、耳は元の真っ白の綺麗な耳に戻った。
「……ん?わ!あるじ〜、体が軽くなったよ!」
ぴょんぴょんと跳ねるライムを見てすごく安心した。
「よ、良かったぁ……、ライムがいなくなったらって思ったら……」
「本当に良かったですね……」
「えへへ〜、心配かけてごめんね」
照れながらライムが言う。
とにかく、元気そうで何よりだよぉ。