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10人の英雄  作者: 照山/松佳
第1章 
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第8話 コードネーム《S-6》 file 月城萌

駐屯地へ帰投後、萌(以下私)は現場にいたA部隊の北本隊員から受け取った銀行強盗の悪戯者(キャンサー)に関する正体と戦闘映像をチェックしていた。私は受け取った資料を見てみると悪戯者(キャンサー)らは福川孝の身体操作によって能力が封じられていた。


ちなみに私の能力は内部透視。この内部透視(インサイドハンター)という透明化の派生型能力である。主に衣服内部に隠している危険物や爆発物が無いか突き止めることが出来たり、人質事件で突入が必要な場合の内部の構造と犯人の位置地点を覗くことが可能である。


私や英雄(ヒーロー)の先輩や後輩、同期からは便利な能力であると好評価を受けており能力交換(スキルトレード)も受けたことがある。しかし、非能力者からはかなり嫌われていた。それは中学3年の夏のことであった。



中学3年の夏、進路について親と話していた時に私の体に異変が起きた。それは自信の視界から親の服の中が見えていた。変だなと思い両親に打ち明けた。私の父は無能力であるが母が英雄(ヒーロー)A部隊の一員として活動しており能力は雷操作(ライトニングオペレート)である。母に能力なのかどうかを聞いた。


「服が透けて下着が見えるか・・・良い萌?良く聞きなさい。あなたは英雄(ヒーロー)としての才能が開花したわ。だけどこの能力は便利なんだけど懸念点があって・・・」


「大丈夫。私はどんな能力でも成長させていくから!」


「分かったわ。もしかするとこの能力は内部透視(インサイドハンター)と呼ばれる能力よ。上手く操れば便利だけど使い方を見誤ると周囲から非難を浴びるかもしれない。それに中3だし来年から高校生だから英雄(ヒーロー)育成学校に行かせようかしら。私も卒業生だし。あなたはどう?」


「俺は萌がやりたいことを尊重するよ。俺たち親は子供を陰からサポートするだけだからな。それで萌はどうしたいんだ?」


私はその時は英雄(ヒーロー)育成学校に行くかどうか悩んだ。時間が欲しいと思い後日話すことにした。


それから数日の間、私は普通の生活を過ごせるかと思っていたが私の内部透視の能力は強まっていきクラスメイトや友達の服の下まで見えてしまっていた。


「月城さん・・・変な能力使って私たちのこと見ないで」


「違う!これは見ようと思って見てる訳じゃ・・・!」


「嘘言うなよ月城。お前の能力キモいんだよ!」


「そんな・・・」


父と母に英雄(ヒーロー)育成学校に行くかどうか悩んでいたときに私は信頼できるクラスメイトにだけ言ったが聞き耳を立てた人がいたため私の能力はみんなに知られてしまった。お前の能力キモいんだよ!とかいう言われように私は自分のことが嫌いになり能力削除も検討した。しばらくの間私は部屋に引きこもってしまった。


「萌?、能力の使用はね誰でも扱うのが難しいの。今はまだ正しく使えないのは分かるけど能力削除(スキルシャウト)の必要はないと思うな。クラスの子から言われもない言葉をかけられて嫌な気持ちになったのはお母さんもそう。だけどここでくよくよしてたらいつまでたっても英雄(ヒーロー)として活躍できないよ?」


「でも・・・友達がいなくなっちゃうよ?」


「良いじゃない!一人って素晴らしいのよ?いなくなったってまた新しい友達を作れば良いじゃないの。だからね萌。学校に行くのも良いし、退学して英雄(ヒーロー)育成学校に行くのも良し。萌が決めることよ?」


母さんの一言に私は覚悟を決めた表情で自室の扉を開けた。


「能力の開発・・・頑張ってみるよ!そしてお母さんを越えてすごい英雄(ヒーロー)になってみるよ!」


「お~!良く決めました!母さんも出来ることは協力するからね!」


「うん!」


その後、今通っている学校にも転校の意向と理由を伝え私は英雄(ヒーロー)育成学校中等科に入学することになった。中等科では普通の中学で習う国語・数学・理科・社会・英語や副教科などの義務教育科目の他に能力の開発や研究なども行われるためカリキュラム的にタイトなものである。


転校し入学後、私は杏と出会った。杏は能力開発研究学校入学後にある程度の能力の開発に成功し中2の春に中等科に移籍していた。杏も透明化系統の能力を保持していたため入りたての私は能力の通常制御や強化の方法など多くの技術や知識を習い学んだ。また私は次第に彼女と仲良くなっていった。


「杏って呼んでも良い?」


「もちろんだよ~!私も萌って呼ぶね?これからもよろしく!似たような境遇同士頑張っていこうね?また何かあったら何でも聞いてね~?」


「うん!今日もありがと~!また明日!」


自宅から中等科の校舎まで歩いていける距離であるため私は歩いて帰った。一方の杏は女子寮で生活している。家に着きインターホンを押すと玄関で母が待っていた。


「ただいま母さん。今日も楽しかったよ」


「良かったね。仲良い子はできた?ゆっくりで良いけどね」


「出来たよ!似てる能力だからいろんなこと教えてくれるんだ~!杏ちゃんっていうんだ!」


私の笑顔に母はにこやかに毎日私の話を聞いてくれていた。その後私は杏とペアを組むことになった。また、中等科の進学希望調査ではS部隊という共通の目標を持っていた。また、自分に対してネガティブな考えを持っていた私にとって家族の言葉は本当にありがたかった。それに育成学校に入らず、杏と出会うことがなかったら今私はS部隊のメンバーとして活動していないだろう。

次回9月29日投稿予定

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