LⅩⅩⅩⅩⅡ Ⅲ NERIHSONUOAM (魔王の試練 Ⅲ)
落とし穴………魔力の流れで罠の場所や仕掛けが割れることも、何らかの方法で電子的セキュリティをこじ開け突破することもできないという点ではある意味最強の罠だろう。
実際、電磁波などから探知を行った結果、電気的な何かを利用した罠などは見受けられなかった上、魔力の流れも一切感じられないことから、このダンジョンには罠が存在するわけないと思い込んでいた。
ただ、不自然な空気の流れなんてことを1mmも気に留めなかったこと、こんな安っぽい罠が仕掛けられていると考慮できなかったことが、魔王としての格を疑うものになるのかもしれない。
そもそも、そんな陳腐な罠に気付けないものが魔王軍を率いる最高戦力であるということがまずおかしいのだ。
次期魔王候補(というか二代目魔王(仮)として認められているはず)のベルフェゴールに、神VS人というそもそものスペックで劣っている上にさらにこの無能さが出てくればもう魔王の座は諦めるべきなのだが、
「我が国を捨てたあの男に、魔王軍の統率なん出てきるわけがない」
そう信じて彼らは、ダンジョンの奥に進むべく落とし穴からの脱出を試みるも、「ザガン様!あそこにハシゴがあります!」
そう言われザガンが梯子を登り始めると、穴から出られる寸前というところでハシゴがメキメキと音を立て崩れた。
そしてザガンが再び穴に落ちた時には、とてつもない量の針が地面に生えていた。
ハシゴが崩れた際に床が一枚抜けるカラクリが仕掛けてあったのだ。
「ピギャァァァァァ‼︎」
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生物兵器と共にダンジョンの中を歩いていた二代目魔王(仮)は、ザガンと違い違和感に気づいた
「お前に死なれたら、後のサタンが怖すぎる。
だからいちおー確認を取るが、お前はもー気づいてるよな?このダンジョンの違和感に。」
「あぁ。空気の流れに不自然さがある。床や壁の周辺に本来存在しないはずの空間が存在している。
どことも繋がらない上、下には針でも隠されているのか………?とにかく流れが不自然………」
彼らの結論は、
「あーそうだ。つまり、先代魔王がこのダンジョンに仕掛けた罠は……」
「「落とし穴だ。」」
その答えにたどり着いた時、彼らの背後にいたのは、雫状の形をした、水色の透き通った何かだった




