LⅩⅩⅩⅩ Ⅰ NERIHSONUOAM (魔王の試練 Ⅰ)
「なーサタン、ここの城の宝物庫にはなんでこんなに財宝が詰まってんだ?」
「マモンや幹部がダンジョンから掻っ攫ってきたものばっかりなんだとよ。
どうやらダンジョン攻略が趣味だったみたいで。」
なるほど。と感心しながらベルフェゴールは話を聞き流す。
「そういえばベルフェゴール、“魔王の試練“って受けてないよな?明日受けてもらうからな。」
その言葉を聞いてベルフェゴールは絶望した。
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“魔王の試練”。マモンが生前、もし魔王の座を明け渡すことがあればと用意していた試練だ。
内容は至ってシンプル。
“ダンジョンの中にある秘宝を手に入れること”。
どうやらダンジョンの中に魔王継承に必要な神器が隠されているらしく、それを手に入れることができればマモンから正式に魔王の座を受け継ぐことになる。
マモンはその神器を見つけたものに魔王の座を受け継ぐような細工をすでに施していたらしく、いつでも試練は始められる状態だった。
ベルフェゴールは現在仮で2代目魔王を名乗っているがやはりマモンが用意した道は通らせたい。
「ていうか、お前が魔王になれば全部済む話じゃねーの?魔王の座に一番相応しいのはお前だろーが。」
確かにベルフェゴールの意見は間違ってはいない。
この世に現在3人の神がいる。
俺、ベルフェゴール、レイ。
ベルフェゴールは、神の駒の能力が強いとは言え決して俺よりは強くない。
俺は武力で言うと他のどの神にも追随をゆるさないような力があるため、確かに今なら誰かに負けるということもありえないだろう。
最高神の神の駒を手にしていること自体がただならぬものである証なのだから。
レイは論外だとして、生物兵器は悩みどころではある。
神ではないものの信頼はベルフェゴールよりもある。が、周りへのインパクトとしてはまた別の邪神が魔王を継いだと思った方がインパクトはでかいだろう。
だが、
「俺はすでにサタンファクトリーを束ねている。信頼して任せられる部下ができるまではとりあえず俺があの組織を纏めなければならない。その間別の組織も立て直して指揮を取るのは無理だ。」
ということで、めちゃくちゃ嫌そうな顔をしている写真に一言声をかけてみた。
「ベルフェゴール。諦めてダンジョン行け。」




