Ⅷ OTAS=IKUY AYSNAKOYS(召喚者ユウキ=サトウ)
「待てよ。魔法の地図と俺に何の用だよ?
人をこんな時間に起こして、研究所はめちゃくちゃにして、俺の仲間まで巻き込もうとして、そこまでするってことはさぞかし重要なようなんだろうなぁ!なぁ?」
「話ができる奴がいて助かるじゃねぇか。いいぜ話してやろうじゃねぇか。一応名乗っておこう。俺は魔王軍幹部。空中部隊担当、ザックだ。」
「まずそのお前が持っている魔法の地図。それは魔力を持たない召喚者のための武器なんだよ。」
「召喚者だぁ?」
「あぁ。ルナフェジオにある魔王軍の本拠地では、魔法の研究の一環として天界に昇っていった死者の魂をこちらの世界に呼び戻すという儀式を始めてな。そして召喚されたお前は召喚者ってことだ。」
「はぁ?それで俺の使っている魔法の地図はお前らのものだからを返せってことか。」
「あぁ。それとお前の体さえ引き渡してくれたら―――」
「渡すわけねぇだろ。俺らは明日から仲良く楽しくアルティア一周の旅に出るんだよ。」
「話聞け。地図とお前がこっち側に来れば命は助ける。そうしないのなら皆殺しだって言おうとしてたんだ。」
「いや、ここでお前ぶっ殺してそのあとみんなで仲良くアルティア一周だって言ってんだろぉがクソ野郎。」
「どうやら話が通じない相手なようだ。俺の言うことをおとなしく聞けばいいのに。」
「どうせ、俺みたいな召喚者が外をうろついて相当な権力を持ったりされても困るとかいう話だろ?」
「あぁまさにその通りだ。わかってるなら―――」
「ただでさえ今気分が悪いのに、お前らの言う通りに動かないといけねぇってのが余計にに腹立たしいんだよ。」
「再三にわたって突撃ウキ―!」
「お前、タイミングによって許されることと許されないことがあるぞ。」
「何言ってるウキ?」
「花丸…下がってろ」
「わかったウキ…」
「落雷」「落雷」「落雷」…
ザックに何度か魔法をぶつけるとそれはすべてザックにかなりのダメージを負わせている。
「なぜ…急所ばかり狙うのだ?」
「いや、お前の急所がどことか知らないから。とりあえず適当な撃っとけばいいかなって」
「もういい、そっちがそこまで抵抗するならこちらも実力行使だ。連れ帰ったらミラにでも洗脳を頼まないといけないかもな」
そう言いながら彼は銀色に輝く三又の槍を手に持っていた。