LⅩⅩⅩⅢ REMMIHS・LARTSA(遊霊・赫)
何を使っても折れない枝、それを見て俺は絶望した。
ラミエルは俺の脇腹に向けて枝を突き刺す。
一気に後ろへ吹き飛ばされた俺は血を流しながら倒れ、いつのまにか〈邪神〉の姿に戻っていた。
俺の体を包む遊霊その場を離れていなかった。
ただ、漆の様に黒く染まったその体の色は血のような“赫”に呑まれていく。
ーーーなぜそんな事が起こるのか。
その理由は単純。ただ、この“赫”が“漆”を上回る力を持つからだろう。
俺は仮にも神。邪神でも聖神でもあるこの器人がれる血は単純なものではないらしい。
遊霊は神格あふれるその血に呑まれる。
不純物のない“漆”は完璧に消え失せ、邪神の神格という不純物を含んだ血のような“赫”に遊霊は支配された。
「〈遊霊・赫・極限覚醒〉ッ‼」
遊霊が包む俺の体、〈紫之迅槍〉、辺りの空気、その全てが“赫”に包まれ、“赫”を放つ者同士が共鳴しお互いの力を高め合う。
「ーー神器開放ッ‼」
〈雷鳴響世之聖神〉の力を開放し、聖神としての力を開放する。
ただ、遊霊に残っている邪神の神格を使い、俺の邪神としての自我が自分の身体を動かせる。
厳密に言うと神格を使って遊霊を操ることで関節を曲げ伸ばししているだけなので、〈雷鳴響世之聖神〉から完全に制御権が奪われているわけではなく遊霊で無理やり動かしている状況に近いだろう。
だが、自分の意志でこの体を動かせる。
それだけでも大きなメリットだ。
枝に向かい突進し、槍を振りかざす。
その枝は音を立てて折れ、試練は無事終わりを迎えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
強大な戦力、という試練以上の成果を得て帰ってきたサタンは、
全ての証を回収し、その手に掲げる。
小さな天使が現れ、紙を俺に手渡してきた。
その紙には、
「〈天界〉の最高位の場所、最高神様への謁見の場へ行けるのは、証を集めた1名とその同行者様3名までとなります。
もし同行者様の数が規定数より多い場合は皆様でご相談の上お考えいただければ幸いです。」
と書かれていた。
「小僧と魔王が行くのは決定だとして、残り2人はどうする?」
「いや、おっさんも参加は確定でいい。問題はあと一人だ。何をしでかすかわかったもんじゃないロボット達は論外だとして、そう考えるとガルかレイナだけだよなぁ………」
一瞬で候補から消されたバカ共は、
「なんか不当な扱い受けてない?私達。」
「吾輩もそう思う。」
「そうウキね。ユウキの僕たちへの扱いが最近ひどい気がするウキ。」
「ひどい」
と言うものの、
「あぁそうかぁ………研究熱心なお前らなら俺が最高神とタイマンしる所で神についての研究とか呑気にできるんだもんなぁ?」
という言葉を聞いて、
「「「「申し訳ございませんでしたぁ‼‼」」」」
と言い土下座をし始めた。
「いや、待てよ?お前はロボットだ。レイナやガルと違って最悪復元ができるか……………データのバックアップはできてるし………レイ。お前出撃な。」
「そんなぁぁぁぁぁ!」
レイの絶叫が〈天界〉に響き渡った。
いきたいいきたいと言い続けていた挙げ句、いけたのは超危険地帯。
まぁ絶望するのも無理はないが。
「とりあえず、出発。」
先代魔王の敵討ちのため、魔王軍は立ち上がる。




