LⅩⅩⅦ IHIJONUOTNOH (本当の〈慈悲〉)
「〈遊霊・漆・蘇生〉」再び怪我人を治療した俺はミカエルに声を掛ける。
「アンタはさ、たしか〈慈悲〉を司る天使なんだよな?」
「うん。君の言う通りだ。〈七人の天使〉は七元徳を司り、君たち〈七人の邪神〉は七つの罪源を司る。」
ミカエルはあたかもそれが当然、と言わんばかりに答える。
「だったら、仮にも試練のためとはいえアンタは怪我人に何の処置も施さずに俺達が試練にやってきて治療するのを待っていたって言うのか?
お前が処置しなかった、慈悲を施さなかった、っていうのは俺達が司る七つの罪源に則って言うなら十分な〈怠惰〉だぜ?」
「………ッ!」
ミカエルはどうやら起こっているのだろうか?
黙っているもののその環状があまりにも前に出すぎている。
「俺にアンタの罪を指摘されたら逆ギレか?
それは、〈憤怒〉か?」
「う、うるさい!邪神ごときが僕のことをそんなふうに言うんじゃない!」
「対極の存在、つまり上下関係のないはずの俺を見下す。まぁ上下関係のある無しにかかわらず〈傲慢〉だよな?
俺達を試して何がしたいんだよ。結局アンタらは自分達がけなしている邪神よりもずっとずっとしたじゃねぇか」
もうすでに七つの罪源のうちの3つを達成してしまっているミカエルはい立ちながらも反論できていない。
「人の上に立つものとして自分の立場すら全うできねぇならそんな座降りちまえよ。」
「な………」
ミカエルは少し考えた後、1つ決断を下した。
「あぁわかったよ。僕は〈七人の天使〉から脱退する。
ただその前に君にこれを渡さなければならない。」
そう言ってミカエルは俺に「〈慈悲〉の試練達成」と書かれた木札を手渡して、その後頭の上にあった黄色い輪も消えた。
「これで僕は天使でもなんでもないただの人になった。僕はこれから贖罪を行う。
君たちに〈慈悲〉を与えよう。君たちの試練に協力してやる。」
「え?」
予想外の言葉に俺は自分の耳を疑った。




