LⅩⅥ EG EINEDHZOBOVSO(神器解放 下 )
ルシファーが神器の力を開放したその瞬間、その一つから大量に刃が分かれていき、
最初あったときよりも大きい刃が何十、何百と増えていく。
俺は何故か〈闇への贈り物〉を再び起動している。
先程の戦いで効果はないとわかっているのに。
ルシファーは俺に〈乱槍〉を振りかざす。
〈闇への贈り物〉に〈乱槍〉が触れた瞬間、俺は〈紫之迅槍〉で攻撃を防ぐための受け身の体制を取っていなかった。
このままでは大ダメージを負う。
〈傲慢〉の神の駒が無くなった今、ルシファーのパワー自体は強化されていないが、〈乱槍〉のフックが俺の目に刺さりそうだ。
致命傷を追ってからじゃ遅い。
〈遊霊・漆〉で回復できるかも分からない。
そんな攻撃は受けたくない。
俺は目の前に武器が降ってきているのに何もできない恐怖を味わっている。
その恐怖も心配もよそに、〈闇への贈り物〉は〈乱槍〉を吸い込んだ。
ルシファーの最大の火力であり、最後の頼みの綱である〈乱槍〉は俺の手に渡った。
が、〈紫之迅槍〉を持った俺は〈乱槍〉を手に取ること無くルシファーの元へ駆けていき、2本ある〈紫之迅槍〉の内の一本でルシファーの胸を貫き、もう一本でルシファーの首を切り落とした。
円を広げるように流れる彼の血は、彼の部屋をどんどん汚していく。
その部屋の中で、ルシファーを倒すという目的を達せられた俺は、〈雷鳴響世之聖神〉の力を失う。
紫色の肌はもとに戻り、
2本に分かれた小さな〈紫之迅槍〉はもとの大きさの、1本の〈紫之迅槍〉に戻った。
大量に雷鼓が連なる連鼓は消え、
〈聖神〉ではなく邪神に戻ったのだ。
また言葉を唱えればまた〈聖神〉になれるのだろうが、今はその必要はない。
俺とベルフェゴール以外の邪神の魂を〈神の魂が眠る石碑〉にはめ込めた。
それができれば計画は第2フェーズへ進める。
「アラン、もしもし」
俺はOrangeARで俺の秘書であるアランに連絡する。
「計画の第1フェーズは修了した。
もう少ししたら巨人島に、核をまだはめていない抜け殻の機械を運ぶ。
準備をしておけ。
運ぶのは2体だ。合図したらすぐ運べるようにしておけ。」
「分かりました。
実はこちらからもご報告があります。
社長がご依頼されたロボット4人組の修理ですが、すでに滞り無く完了しております。
巨人島や〈天界〉に連れて行くようでしたらいつでも軌道準備は整っておりますが、どのようになさいますか?」
驚きだ。
まさかこの前送ったアルカナのファイルがここまで作業効率を上げるとは思っていなかった。
それにサタンファクトリーの優秀さもあるのだろうが、尋常じゃない速さだ。
「すぐ向かうから起動は少し待て。
巨人島や〈天界〉に連れて行くかはあいつらの意思に任せる。」
アランはその答えを予測していたのだろうか。
「ええ。社員にはすでにそうするよう伝えてあります。
お早いお帰りをお待ちしております。社長。」
とだけ言って電話を切った。




