LⅨ ORUK・LARTSA(遊霊・漆)
極暴の宴城。
ヨールビアノ最大の建築物で、ヨールビアノのシステムと同じくサタンファクトリーが設計、製造を行った。
管制システムの管理権限を持つのは、公的にはベルゼブブただ1人、ということになっている。
が、ベルゼブブはハイテクに興味はあるものの機械オンチだ。
俺は極暴の宴城と崩玉の食暴色の管理システムの緊急操作用コンソールに自分のOrangeARからアクセスできるようにしている。
つまり、俺は今すぐにでもこの国を崩壊させる権限を持つわけだ。
「なぁ、ベルゼブブ。テメェの術式では食中毒を仕込むことしかできないだろ?純粋な魔力攻撃で俺を倒せるのか?」
「確かにわしは魔法でも術式でも純粋な力では主に勝てるようなものではないだろうが、」
ベルゼブブはモニターに、生物兵器、ガル、レイナの顔を映す。
「こやつらを殺されるのは貴様としても惜しいだろ?」
と、脅すように聞くが、
「いや?1mmも思わねぇよ。こんな捨て駒の命なんざどうでもいい。
俺が興味あるのはテメェの魂だ。〈神の魂が眠る石碑〉にはめ込めたらそれでいい。
神の駒寄越してとっととくたばりやがれ。」
「薄情なやつめ。まぁいい。ならばさっさと殺してしまうか。」
彼女の術式のもう一つの能力は、彼女の毒に苦しまれている対象の毒の毒性を強める能力だ。
「猶予はあと10分。精々お別れを………」
「〈遊霊・漆………」
〈遊霊・漆〉。遊霊をより強化し、術式の精度、効果、使用する原動力を大幅に上げることができる術式。
その術式を俺は、レイナ達に向けた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私が毒にかかるなんて………
私、レイナはそう思っていた。
医療や治療に長けた光属性の魔力を得意とするレイナは毒があるかないかを見分ける能力があった。
だが、ベルゼブブが仕掛けた毒にだけは気が付かなかったのだ。
流石は邪神、とでも言うべきか。
何も気づかず口にしたラスク一つでここまで苦しむとは。
そう思って極暴の宴城内の牢屋で毒に苦しんでいたとき、3体の遊霊が私達の目の前に現れた。
普段サタンが使うような紫色のものではなく、
〈遊霊・漆〉という彼が本気で魔力を行使する時に使うものだった。
失敗して用済みになった私を確実に消すためだろうと思っていた。
ただ、その予想は外れていた。
彼が使ったのは攻撃魔法ではなく、
「〈遊霊・漆・蘇生〉」
回復魔法だったのだから。
気づいたら、金、土投稿ではなくいつの間にか土、日投稿になっていました。
これからはそのまま土日投稿でやろうかなと思っています。




