LⅧ IAKNASNABONNIHSAJ (邪神の晩餐会)
天ぷら、照り焼き、肉じゃが、生姜焼き、ブリ大根、トンカツ、コロッケ、カキフライ、アジフライ、すき焼き、豚の角煮…………
無数に和食が並ぶ中、俺は一切口をつけず、ベルゼブブに皿を渡す。
なぜならこの料理に使った食材だが、俺が調理する前の段階、つまり料理人たちが持ってきた段階ですでにベルゼブブの術式で毒が仕込まれていた。
ベルゼブブの術式は、食材にのみ仕込むことができる。
状態異常の内容、そして発動までの時間、効果の継続時間………様々なパラメータを調整し、どの様な毒でも好きなように生み出せる。
それが彼女の能力だ。
だが、彼女の術式の欠点は"自分より格上相手には毒を仕込んでいること、そしてその毒の中身"がわかってしまうということ。
生物兵器は邪神に及ぶほどの力を持つわけではないので、毒に気づくことはできなかった。
が、俺は最初から気がついていた。味見もできない状態で作った料理だが、うまくいった自信はある。
この毒を摂取してしまった場合1時間後から効果が出始め、体が苦しみ始め、24時間後死に至ると言う毒。
生物兵器やガル、レイナにかけられた毒もこれと同じもので、彼らは今極暴の宴城の中にある部屋に監禁されているようだ。
「食えばどうだ?暴食の姫。」
「いやいや、貴様こそ食べたらどうだ?」
「毒入りの飯なんか食えるわけねぇだろ?
俺はお前よりも格上の邪神なんだよ。お前なんかが仕掛けたチンケなおもちゃを見落とすバカじゃねぇんだよ。」
「ハハハ。気づいておったのか。だったらもう穏便に対処はできん。始末してしまうか。」
ベルゼブブは剣を抜き、
俺は〈闇からの贈り物〉で槍を取り出す。
「〈紫電黒炎〉〈遊霊・身体装甲〉〈遊霊・武具装〉」全身に紫電黒炎の力を巡らせ、
遊霊の力も全身に。
両者共に臨戦状態。俺達は向き合い、お互いに牙を剥く。




