Ⅳ EMUKAYONURAMANAH(花丸の役目)
今日は土曜日。研究所も休みなので花丸と外に出ることにした。
今日はモンスターとの戦い方を教えてもらうことになっているのでサイレアの郊外にでて、
森の中へ入る。
月曜日花丸に文字を教えてもらった時には1時間もかからず字を習得してしまったため今回こそは先輩の力を見せつけると花丸はかなり張り切っている。
俺は地図を持って森の中を歩いていると1体の黄色いスライムを見つけた。
バレないように小声で花丸に話しかける。
「(なぁ、あれがスライムか?この世界で一番魔法の練習に向いていることで有名なあのスライムか?)」
「(うん。そうっぽいウキ!)」
「(お前そんな『ウキ!』とか言うキャラだっけ?まぁいいや。)」
俺は試しに「落雷」の魔法を使ってスライムを攻撃する。
スライムの中心に雷が通っていき、スライムはバラバラに飛び散っていった。
「(威力強すぎるッキー!これ「放電」だったら僕死んでたウキ!)」
そんなわけで俺はどんどん魔法の練習をした。
この後2時間で「落雷」はコントロールが完璧に、「放電」は範囲の調整が、さらに両方、威力調整も可能になった。
「この町で僕が教えることができることなんてこれぐらいウキ。すまないウキ。教育係なのにほぼ何もできなかったウキ…」
「いやいいんだよありがとう。字に関しては法則性を即行理解できたからで、魔法は偶然うまくいっただけだ。教育係であるお前の存在ほぼ意味ないがとかそんなことは一切考えてないよ。
現にお前がいなけりゃ魔力の調整しないといけないとかいうのも知らなかったわけだし・」
「ウッキ…」
「明日、戦闘訓練でもするウキか?」
「俺はいいけどお前に落雷で大量に体に電気流していいならの話だぜ。」
「やっぱ遠慮しておくウキ。」
「帰ろう。確かレイがうまいもん作って待ってるから18時には集合とか言ってただろ?」
「楽しみウキね!」
「そうだな。」
コイツは教育係としての責任感を感じていたのか。もっと気楽にやっていいのに。まぁちょっとずつ緊張とか、引き締まった責任感とかもほぐしていってゆるゆるにしてやろう。
そうしてありのままののびのびとした花丸を見れるように。