ⅩⅩⅩⅩⅤ IANUGUTONONOMEKAMAN(怠け者の償い)
「なぜだ………なぜ生きている?ベルフェゴール………?」
レヴィアタンは、声を絞り出すように問いかけた。
そう驚くのも実際無理はない。
〈七人の邪神〉の1人、〈怠惰〉のベルフェゴールは、〈憤怒〉のサタンの手によって1度殺害された過去があるからだ。
100年に1度という頻度で開催される邪神会談に10回連続「めんどーだから。」と言って出席しなかった上、自分の治める国の政治をほっぽり出したことが原因で国が崩壊したり、とにかく〈怠惰〉なベルフェゴールに腹を立てたサタンは、彼を殺し、国を復興させ民主政治が成り立つようなサポートをして、
定期的に訪問するなどしてベルフェゴールの過ちによる被害を最低限に抑えた。
神の駒には、対応する神の魂を宿す機能がある。
マモンは、サタンの魂の安全を最優先した結果、サタンの魂を日本に一時的に転生させたが、サタンはそうせず、いつでも簡単に復活させられるよう、神の駒に魂を宿した状態にしていた。
神の駒と、そこに込められた魂をずっと保管し続けたサタンは、今こうして新たな器にベルフェゴールを蘇らせたのだ。
サタンファクトリー社製のロボットは、心臓部分に当たる核に魂の拠り所という仕掛けが用意されていて、そこに魔法でできた擬似的な魂をはめ込むことで完成する仕組みになっている。
今回は魂の拠り所の中に、神の駒の中に宿していたベルフェゴールの魂をはめ込む形でベルフェゴールの復活を試みた結果、思い通りにことが運んだ。
術式をつかってクマのようなゴーレムを作ったベルフェゴールは、その力でレヴィアタンの手によって召喚された蛇を喰い千切って消滅させた。
その現実を見て、レヴィアタンは理解が追いつかなかった。
「〈蛇・暴・破〉」
再び蛇を出すも、またもや熊に喰い千切られる。
「蛇・暴・破・又」
今度は何匹も同時に蛇を召喚した。
ベルフェゴールはそれに対抗し、「Ⅲ・小槍虫」
大量の小槍が現れ、コバエのようにその槍は暴れ、蛇の体を次々と破壊していく。
「Ⅰ・邪槍」
巨大な紫の槍を召喚したベルフェゴールは、その槍をレヴィアタンに向かって放つ。
が、レヴィアタンに槍が突き刺さる寸前に〈闇への贈り物〉が発動し、レヴィアタンの目の前にあった槍が消え、レヴィアタンはもちろん、ベルフェゴールすら、何が起こっているのかわかっていなかった。
〈闇への贈り物〉の発動者は、足音を鳴らしながら歩いてくる。
「レヴィアタンにトドメを刺すのは俺だって言ったろ?ベルフェゴール。」
彼は〈闇からの贈り物〉で自分の槍を取り出した。
レヴィアタンは絶望する。
「サタン………」
「あぁ。そうだサタンだ。今ここでお前には死んでもらう。」




