ⅩⅩⅡ ERUMONIMAKO(狼の群れ)
それはもう見なかったものとして、俺は分厚く大きな肉をかなり大きめなフライパンに入れる。
そして本家さながら過剰な高さから塩コショウをかけて、
「そして、フライパンにオリーブオイルとカー(タイにある生姜的なもの)を」
と言いながら俺は本家さながらオリーブオイルを瓶の中身丸々一本使い切るまでフライパンに入れる。
もちろんこれは本家へのリスペクトの表れだ。
「そこから追いオリーブをwww」
言いながらもう笑いがこらえきれなくなっていた。
「なんで笑ってるかわからないのがもう恐怖を感じるウキ。」
「吾輩、麻薬をやってる人とはかかわりたく―――」
「やってねぇよ!」
「仕上げにイタリアンパセリを載せて完成っと…」
「ねぇユウキ、そんなスパイスどこで買ったの?イタリアンパセリとかなかなか売ってないよ。」
「そりゃあな。買い出しに行ったときにこの世界にもカプリチ●ウザがあることに驚いてたら、なんか店長らしき人が、『こんな量のイタリアンパセリどうするんだよ!社長が言ってた伝説のシェフぐらいしかこの量は使いきれないぞ!』とか言ってたからもらってきた。この国の人が扱いに困るようなもんなんだからなかなか売ってはないだろうってのは予想できた。
カーは、なんか市場で売ってたぞ」
「奇特なスパイスとオリーブオイルを好む伝説の料理人っていうのはユウキだったんだね。」
「ちがうぞ?何なら俺はその料理人が活躍するコーナーを見ながらネットで騒いでた側の人間だぞ。」
「なんかいるよねーそういうの。3125チャンネルで騒いでるんでしょ?」
「5の5乗じゃねぇか!M●RINAGA野郎ふざけすぎだろ!」
「いや、冗談。最近まで2ちゃんねるだったのに今は5ちゃんねる」
「…」
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「ん!このお肉おいしい!」
「そりゃな。前のがマズ過ぎたんだよ。素人の俺がもこみちのモノマネしながらやってここまでできるんだから店ではこれ以上のクオリティの門出してくれねぇと困るんだよ」
「いや、お寿司の時も思ってたけどユウキって料理うまかったよね」
「お前食ってなかったろ」
「いやぁ、そんなことは…」
「めちゃくちゃ目が泳いでるウキ」
「でも美味しい。」
「そうウキ。おいしいウキね。」
「あぁ。吾輩も本当に好きな味だ。」
「好評ならよかった。これが本当のステーキだよ。うっすくてかったいステーキなんてステーキじゃねぇんだよ。」
「そうだね。今度もまた作ってよ!」
「気が向いたときに食材があればな」
そんな他愛もない話をしていた時、夜中に研究所で聞いたあの音が鳴り響いたのだ。
『警報。警報。突然の襲撃を確認しました。相手は恐らく魔王軍であると推測します。』
「またお前らかぁぁぁぁぁ!」
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「お前らか、また懲りずに暴れに来やがって…」
と言って外に出ると、そこに見えたのはきれいに並んだ狼の大群だった。
それを見て、俺は言った。
「お前ら、アレの準備はできてるな?」




