ⅩⅡ IJORONUKETIAKESI(異世界テクノロジー)
「こういう異世界テクノロジーみたいなのって普通最初に渡すのがお約束じゃねぇの?」
「だって、ユウキが自分で自分のことを半引き籠りとかいってたから、ARゲームにはまって部屋から出てこなくなったら困ると思ってね、でも美少女ロボとのイチャイチャ旅行の最中ならそれはないかなぁって――」
「自分で美少女って言うあたりが一番面白いウキね」
「それにイチャイチャしてないと思うんだけど」
「とにかく!寝る前に使い方はマスターしてもらうからね」
「任せろ!半引きこもりにかかれば電子機器の扱いなんて楽勝だ!」
OrangeARとは、スマホやPCなどの電子機器の販売するOrangeという大手企業で開発されたAR(拡張現実)を体験できるデバイスである。
具体的に何ができるかというと、ゴーグルのような形をした本体を顔に装着する。すると目の前に大きなディスプレイが浮かぶのだ。
それを操作すればゲームをしたり動画を見たりネットサーフィンをしたりといったことが可能になる。
Blue●ooth対応のキーボードなどは使用可能だが、キーボード、マウス、ゲームパッドなどは空中に浮かぶ仮想のものが使えるので、いちいち購入する必要はない。
また、空中に浮かぶキーボードを叩いているときも、本物のキーボードを叩いているかのような感覚がある。さらにキーボードの「こんな感じがいい」といった好みも設定である程度変更できるため不自由なく使用できる。
さらに何か検索したいことがある場合は、いちいち入力しなくても、「〇〇って調べて」というと検索してくれる。
といった優れもので、ゲーム、アニメ、電子書籍、ネットサーフィン、通話、メール、キャッシュレス決済、さらにはワ●ドにパ●ポ、エ●セルなどスマホかPCでできる大抵のことはこれでできてしまう。
そのため当然値は張る。40000アルト。(日本円でおよそ400000円の価値)
その値段はおいそれと簡単に払えるものではない。
格安宿に200回ほど泊まれる値段なのだから。
そんな引きこもりアイテムをプレゼントしてもらった俺は、あることに気づく。
昨日の深夜傭兵から貰った金はあくまで“お詫び”なのだと。
“お詫び”はもらったが“大物懸賞金”はもらっていない。
“大物懸賞金”とは、魔王軍幹部や魔王、抵抗軍という反ロボットを掲げる組織の幹部やボスなどには高額賞金がかけられているのだ。
幹部は各5億、ボスは各50億の賞金が用意されていて、ザックを倒した報酬として渡される懸賞金の5億アルトは5人で山分けすることになったとしても1億アルトになる。
10億円ほどの価値があるため、日本人の生涯年収である2億円は余裕で越えている。つまり一生遊んで暮らせるのだ。
よし、帰ったら寮に引きこもってゲーム三昧の日々だな。面白そうなアニメは横に画面出して流しておけばいいし。見るアニメが尽きたらラノベとかをオーディオブックで聞けばいいし。
そんなことを決意した俺であった。




