CⅩⅢ Ⅳ DAOR THGILNOOM (MOONLIGHT ROAD Ⅳ)
「ん……うあぁ………」
「お、目覚めたか。」
俺が目を覚ました時にはもう、俺は部屋の中にいた。
〈蠍部隊〉も、生物兵器もいなかったが、その場にいたのは……
「魔王……マモン!?」
「あぁ、お前が鳩の住処で暴れてたのを後始末して、そのついでにお前を助け出してやったんだよ。」
どうやらマモンは、俺が〈憤怒〉の力を抑えきれずに暴走させた際の騒ぎを聞きつけ、〈蠍部隊〉を撤退させ、俺を回収したらしい。
「〈蠍部隊〉を撤退させたのか!?それって………」
「お前の怒りの原因があいつらにあったとしても、新参の邪神が邪神の手先に噛みつくのはマズいだろ。
目をつけられたら、"術式"すら使えないお前は瞬殺でやられるぞ?」
「"術式"………?」
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俺はその後しばらく魔王城に滞在し、〈邪神〉の力やルール、その使い方などを教えてもらいながら着実に成長していった。
魔法で実現し得ない現象を何でも起こせるという〈強欲〉のピーキーな能力は、俺の能力を伸ばすのにはもってこいだった。
汎用性の高い遊霊をいかに上手く〈強欲〉の現実離れした術式に対応させるか、ほぼ互角の戦いをして少しずつ練度を上げていった。
そして、お互いに相性がいい術式が少しずつお互いを強くして遊霊の扱いもかなり慣れてきた頃、俺は魔王城を出て起業し、サタンファクトリーを設立。
その時投資してくれたのもマモンであり、マモンは2度も俺を助けた俺の恩人となった。
そう………俺が死に追いやられるあの事件が起きるまで。
あの後彼は3度も俺を救った恩人になったのだから。
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俺は今、マモンの墓の前にいる。
全てのことが片付いた今、過去のことを振り返る時間が少しあってもいいと思う。
「色々バタついてて、墓参りが遅れた。ごめん………
最高神は倒せた。2代目魔王もベルフェゴールに決まった。
しばらくは平穏に暮らせるよ。多分………」
ただ、その平穏は訪れなかった。
「ねーユウキ〜!おじさんがユウキのこと呼んでる〜!!
なんか、"ぐにぇふれむなんつ"ってのが来たって言ってるけど何それ〜?」
「………は?」




