ⅩⅠ ODAYUSAYUKAK(格安宿)
「なぁ、格安宿ってかいてあるから入ってみたけど、これ宿じゃないだろ?」
「いや、これが普通だよ。」
「だとしたらありえねぇだろ…」
カーペットはそこら中シミだらけだし、ソファはところどころ綿がはみ出している。
さらにベッドは汚れているし、シーツもはがれている。
また、テーブルには大きな傷があった。天井や壁もところどころはがれている。
驚くべきことに、冷蔵庫の中には、なぜか実だけに剥かれたバナナが真っ黒な状態で入っていたり、一口だけかじった後皿にのせ、ラップをかけて保存していたPA●M的なアイスがあった。
さらに、ロボットたちがお待ちかねの風呂はバスタブが思いっきり割れていたり、シャワーヘッドと水道をつなげる管のような部分に切れ込みが入っていてとても風呂を満喫という気分に離れなかったようだ。
ベランダにあったプールは掃除する前の学校のプールみたいな緑に濁っていた。
「格安宿というのはこういうものだぞ。」
「そうウキ。コ●助の言う通りウキ。」
「まぁ言い方悪いけど、格安宿っていうのは格安な代わりにサービスが終わってる店の事」
「ロボット4人組はいったい何を言ってるんですかきっとここがハズレなだけ…」
と言いながら俺は急いでスマホで「格安宿 評価」と検索しようとすると…
「ねぇユウキ、ユウキの世界ではスマホが普及してたとは言うけど、まさか検索なんかもスマホでやってたの?」
「まぁな。速打ちには自信あるぜ。それに、半ひきこもりやってた頃にはPCでBi●gAIに検索させたこともあったけど…」
するとレイが申し訳なさそうに、
「あれ…渡してなかったんだっけ?OrangeARって知らない?ほら、そこらへん歩いてる人とかつけてたでしょ?そういえば確かにつけてないけど、つけてないのなんて小学生の子供ぐらいだよ…?」
「あ、あれか……無駄に高いじゃん。40000アルトするじゃん…てか渡してなかったって何?まさか、俺用のあるのに渡してなかったってことじゃねぇだろうな?」
「そうなんです…ごめんね?ごめんって――ねぇ、痛いから髪引っ張らないでって痛い痛い!聞いてる?ごめんって!渡すから!旅の前に渡そうと思ってたの忘れてただけだから!ねぇほんとに痛いって!やめて―‼‼」
宿に響くこの騒音が、格安宿の評判をさらに下げたのであった。
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